山の記録一覧へ

2007年5月13日 奥秩父 両神山 坂本〜八丁峠〜日向大谷

[メンバー]Tさん

奥秩父の両神山に行ってきた。
日本百名山の一つ。イザナミとイザナギの二つの神を祭ってあるからその名がついたんだって。

前日早く寝るはずがゴタゴタがあったり準備で、寝るのが2時。
朝4時57分の電車に乗るっていうのに、4時23分に寝坊で起床・・・。 目覚ましを5、6回鳴らしておいたのに何で!??かなり青ざめ、超ハイスピードで顔を洗って着替えて、 おにぎりを握って4時45分に家を出てなんとか電車に間に合った〜。

電車に乗ったはいいものの、どこか不安。前夜のゴタゴタ。 駅に向かう途中に靴ひもが2回もほどけ・・・山に危険な目に遭いそうなんて思いながら、所沢で飯能行きに、そして秩父行きに乗り継ぎ6時20分西武秩父駅に到着。

両神山は駅から遠い・・・。タクシーに揺られ1時間。タクシーのおっちゃん金谷さんは秩父の人でのんびりした方。 地元の話や、秩父に住む熊や猪や猿や鹿たちの話をしてくれたよ。

登山コースは、坂本から八丁峠そして両神山頂、山頂からは日向大谷への縦走。
上級者コースで、鎖の岩場があるところへ行くのは実は初めて。ちょっと不安だけど楽しみ。

青空に太陽。山の緑が目にやさしい。人が入っていなかったコースだったらしく道にかかっている蜘蛛の巣を飛び越えて歩いたり、ふわっふわの落ち葉の上を歩いて進んだ。途中、手の形をした木の葉っぱがゆらゆら左右に揺れてバイバ〜イって手を振ってるみたいだった。道の左右で明暗の全く違う世界も見付けた。左は光が差し込み木々が青々としてキラキラ輝いているのに、右は真っ暗。木も枯れている。悪魔がいるみたいでぞくっとしてさっさとあとにしました。

あんまり登っていないのに調子が悪くなってきた。。
2時間ちょいの睡眠で頭はぼーっとして、足が物凄く重い。。 ほどんど前に進めない感じ。やっとのことで一歩一歩を前に出してみる。
こんなの初めて。つらい。。。ちょっとギブアップの気持ちもあった。

前夜のゴタゴタから当日の寝坊に靴ひもがほどけ今のこの状態。。 登るなってこと?そのうち足の親指がビリビリ痛くなりカットバンを張って厚めの靴下に履き替える。 精神的にちょっと落ち気味になったけど、一緒に行った仲間に悪いし悔しいのでペースを落としながらも頑張って歩いたよ。

山の上の方には、見頃のピンクのかわいいヤシオツツジが沢山咲いていて励まされたよー。周囲の山々も綺麗に見えました。
登りは足が進まなくて辛くも下りで足を回復させ、いよいよ初の岩場へ。 急斜面で恐怖で震えるくらいびびって下を見ないように登ったところもあった。
だけど、すごく楽しい!!心身ともに元気を取り戻したよ。

岩場の連続を越えて2時15分山頂へ到着。ランチをして1時間ちょっと休んで下山へ。
下山は楽。走って下っても楽しかった。下りは結構得意なんだよね。

そろそろコースも終わり。
下の方に民家が見えてきた。あと乗る予定の18時16分の最終バスも。急いで降りてバスへ向かう。 アレレ!!たったいま止まっていたバスが影も形もない。あれはまぼろしか!?と思うくらい音もなく走りさっていた。

困った。。。もうヒッチハイクしかない。

一緒に下山してきた20人の中高年の団体バスに声を掛ける。バスの運ちゃんに聞くと、だめだめ貸し切りなんだからーと、冷たい・・・。
でもツアーの主催者に聞くとオッケーを出してくれた。わー嬉しい!さっそくをザックを積み、ペコペコしながらバスの先頭の補助席へ。 団体客は、水戸からの登山の会「うさぎとかめさんの会」。
奥様からおじいちゃんまで年齢は色々。

「みなさまおつかれさまでした。全員無事で、人数が減ることもなく、それどころか帰りは人数が増えました〜」と私たちのこと。 仲間に入れてもらったみたいで嬉しい。おせんべいやかりんとうがどんどこ回ってきて「食べな食べな」、「飲みな〜」とビールをもらい。 お喋りをしてきたよ。薬師の湯に立ち寄るとのことでそこおまでご一緒させてもらった。お湯もすべすべで気持ちよかった。

温泉からは、もう暗いからヒッチハイクはやめてタクシーを呼ぶことに。タクシーの運ちゃんが迎えにきてくれたと思ったら、金谷さんじゃないですか〜!!びっくり!そう朝、西武秩父から登山口まで送ってくれた方。向こうも驚いていた。すごい偶然。なんだか嬉しい。ゆっくり登ってきたんですね〜と言われ、山の話をしたり秩父の地元ネタをしたりして西武秩父まで送ってもらった。

西武秩父に着くと、特急の時刻まで約40分。
ちょっと腹ごしらえと、駅前の店を見ると一件妙に楽しそうな店がある。常連客かな?2階のまどからギターの音とワイワイガヤガヤ声が聞こえる。ちょっと迷ったけど、入り口に貼ってあるチラシやメニューに惹かれ行ってみることに。その名も定食居酒屋「駅前」。

お店に入るとおじちゃんとおばちゃんが迎えてくれた。
「うるさいけどそれでもいいなら入って〜」「お酒以外の飲み物は、外で買ってきていいから〜」
ちょっと汚い感じの狭いお店だけど、雰囲気は最高。
40分しか時間がないと伝えると、手羽先餃子やサモサの注文は「そんなつまらないもの〜」と断られ、 頼んでいないのにどんどん料理を出してくれる。しかも珍しくて美味しいものばかり。
ふきの煮付け、山ウドの酢味噌、山芹、マーガレットとアカシアの花の天麩羅、岩魚の皮と骨の焼き物、岩魚の刺身 「1200円って書いてあるけど、ちょっと魚が小さめだったから1000円にしておいたから。」、アカシアの花を浮かせたお酒もおっちゃんの残りだけどただでくれた。すごく香りがいいのだ!「ここにあるの全部で飲んで食べて3600円だよ。高いか?安いか?」ついつい「安い!」おっちゃんのその粋な接客が大好き。

ギターを弾いて歌っていたお客さんは貸し切り状態で誕生会をやっているらしかった。
それも誕生日の方がこの定食屋に惚れこんだという理由で仲間が遠くからここに集まって誕生会を開いたらしい。

もうちょっと長居してたら、とけこんで一緒に誕生日を祝ってたような雰囲気。北の島の桃岩荘を思い出す。

ほんとの短い時間だったけどすごく充実した時間だった。おっちゃんありがとう。
熊鍋や猪鍋、鹿の刺身なんかも今度はゆっくり食べに行きたいな〜

山もいいけど、やっぱり人に会えるのが楽しいと完全に旅気分に浸る自分でした。

inserted by FC2 system