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2010年7月16日〜19日 南アルプス 北岳〜間ノ岳〜両俣小屋+渓流釣り

[スタイル] 単独テント
[食糧] 朝昼3日分(パン7個、おにぎり2つ)、夜1日分(アルファ米、レトルトカレー、味噌汁)、非常食(チョコ、ソイジョイ)
[費用] テント2日分1000円(500円*2)、甲府〜広河原4000円(2000円×2)、野呂川〜広河原(680円)、交通費電車(往復4000円)、小屋夕飯1700円

[コースタイム]
●7月16日(前日)  甲府駅ステビバ
●7月17日(1日目)
4:00甲府駅〜6:15広河原  7:00 広河原発   7:25分岐  9:30白根御池小屋10:20発  12:00小太郎尾根分岐 13:00北岳肩の小屋(テント泊)
●7月18日(2日目)
3:00起床  4:00北岳肩の小屋出発  4:40北岳山頂(ご来光)5:15出発  6:40北岳山荘 7:15白根中山7:30発  8:45間ノ岳10:15発  11:15三峰岳  13:35両俣分岐・野呂川越  14:30両俣小屋(テント泊)
●7月19日(3日目)
3:00起床  4:40両俣小屋出発  5:30独標着9:00発  10:00両俣小屋 いわな釣り  13:15両俣小屋  15:30分岐  15:40バス〜15:55広河原16:00発  18:00甲府


愛する北岳に会いに行こう!と夜行で甲府に入ることを思い立つ。
テントが手元にないため、、、(カナダからの船の中)、神保町さかいやへ行き、アライテント2〜3人用(4万円)を購入。お金がないのに。。。船の中のアライテント1〜2人用よりだいぶ大きいのできっと快適だ!!!わはは!しかもたったの1.5kg。
(今朝起きたら、机に「支援金」がおいてあった。一体誰への支援金なのか、よく見ると、カナダから帰国した貧乏な私への父からの支援金。。。5万円。まさかテント代で消えてしまったなんて言えない。)

今年の夏山は先週に続きまだ2回目。先週の鳳凰三山は体力ががた落ちで、下山後3日間筋肉痛でうまく歩けなかったほど。
今回もまだ不安なので、雪渓をアイゼンでガツガツ行く勇気は全くなく白根御池小屋経由で登り、ずっと行ってみたかった小太郎尾根、そして肩の小屋から両俣へ下り、ここまた行ってみたかった両俣小屋でごはんを食べ、そして元気が良ければ仙丈岳を越えて北沢峠へ、というのが今回の山行予定。

家を出る直前に、乗ろうと思っていた甲府までの終電、ムーンライト信州はもしや指定券がないと乗れないのでは?ということに気づく。でも、それに乗れないと今日中に甲府に行けない・・・!とりあえずJR中央線の国分寺まで行って調べてみることに。「指定席がないとだめですよ。」と言われ、立川〜甲府のムーンライトは完売。諦めて「さ、家に帰るか」と思ったが、もしかして大月からなら乗れるかも?とひらめき、大月〜甲府のチケットをゲット!!金曜の夜は仕事終わって都心で飲み明かすから、ムーンライトで帰宅するサラリーマンが多いのよね(推測)。

乗りつぎ、乗りつぎ、、、、寝ることもできず甲府に着いたのは2時半。1時間だけ駅で寝る。他にたくさん登山客が寝ている。初めての甲府でのステビバは公園で寝るという馬鹿なことをして、顔中蚊に刺されたのを思い出す。


<1日目>
睡眠時間1時間で吐き気とめまいがするが、なんとか広河原に辿り着く。
さすが夏山シーズンの3連休。 広河原にはたくさんのバスが・・・1、2、3、4、10台はあるな、と思ったらあとで聞くとなんと朝一で17台も入ったらしい。プラス+タクシー。すごい人気だ。

今年初のテント山行+睡眠不足+体調不良なので、疲れないように、高山病にならないようゆっくり歩く。
難なく小屋につくと、知ってる顔の人が働いている。去年尾瀬温泉小屋で一緒に働いたカネコ君だ!しばらくおしゃべりをして出発。
しばらく登り、確か去年は8月にすごく綺麗なお花畑があったんだった〜といよいよそこに近づくと、 お花畑 じゃなく、ヒト畑。
人人人人、、、人だらけ。そして花は1分咲きか?

違う意味でびっくり。この分じゃテント場がなくなってしまう。
ちょっとだけ急いで、肩の小屋に着くと、案の定人でいっぱい、テント場もなんとか張れる場所を探す。
夕方になるとさらに人が増え、テントも小屋も人でいっぱい。
こんな3千メートル付近の山にこんなに人がいると気持ち悪いほど。3連休の山は行き先に注意だ。


小屋に着いた昼過ぎから、雨がひどく降ったり止んだり、 これじゃ夕焼けは見れないな、と諦める。
ところが、ちょうど夕方7時頃突然空が明るくなり始め、見事な夕日とともに仙丈ヶ岳、甲武信ヶ岳そして富士山が現れ360度の夕焼けの景色。
あー天国みたいだ。来てよかった。

山ガールも山ボーイも山じじも山ばばもみんなこの景色に釘付けだった。

幸せな気持ちで就寝。

<2日目>
朝3時に目覚め、外を見ると一面の星たち。おしゃ〜これはいい朝日がみれるぞ!!と気合を入れて、4時40分の日の出を目指し北岳へ向かう。

ちなみに本来の予定は、北岳にも登らず小太郎尾根往復と両俣へ下山。だったが、両俣への道が、増水のため通れず、間ノ岳経由で行かないといけない、ということで、今回の目的だったはずの小太郎尾根を断念し、北岳を越えて間ノ岳そして両俣へ向かうことにした。

ぴったり4時40分に北岳に登頂。しばらく朝日を楽しむ。

間ノ岳へ行く途中にある 白根中山で一休み。
頂上から少し離れたハイマツ近くにいくと、ピヨピヨピヨと声が聞こえる。
あら〜雷鳥ちゃんじゃないか〜!!お母さんが、黄色の子どもたちをたくさん連れてるよ。かわいいね〜
北岳では雷鳥さんは10匹しかいないと後から聞いた。貴重な雷鳥にあったもんだ。ピヨピヨちいちゃい子雷鳥がまだ黄色くて可愛かったな〜
みんなにも知らせなきゃーと思って頂上にいたおっさんに、「雷鳥いましたよ!!」と伝えたのに、無反応・・・。
なんだあのオヤジ!!と思いながら間ノ岳へ向かう途中、花や鳥を見て歩く登山客に、「ライチョウがいますよ〜」と伝えながら歩く。

間ノ岳までの美しい稜線からの景色を楽しむ。最高!
雨期の後の10日間というのはものすごく天気がいいらしい。
間ノ岳山頂では楽しい御夫婦に会った。旦那さんは大手企業を早期退職して、山や旅行を夫婦で楽しんでいるらしい。 こくまろカレーラーメンを作って奥さんにごちそうしていた。ネパールのヒマラヤにもいったし、今度はヨーロッパに旅行に出かけるらしい。
素敵な夫婦だ〜。二人はずっと行きたかったという熊の平小屋へ泊り、翌日塩見岳そして三伏峠から下山らしい。名前を聞かなかったけどまたいつか山で会えたらいいな〜

間ノ岳から 三峰岳への道は、農取岳方面の道とはまた違った雰囲気の緑が深い気持ちいい道で感動し、去年も行けなかった熊ノ平から塩見への稜線へ行こうかしばらく地図と稜線、そして仙丈への道とにらめっこして、北へ行くか南へ行くかで相当悩む。
悩んだ挙句、この最高の天気にまたもや諦めないといけないなんて!!と行きたい気持ちを抑え両俣へ向かう。

両俣への道は平坦だけれど、ものすごーく長くて、歩いても歩いても分岐につかない。足もくたくた。もう分岐は過ぎて、、仙丈ヶ岳へ登り始めたんだろうかと思って狐に騙されている気分で諦めてあしばらく歩き続けているとようやく分岐に着いた。
ほっとして、ちょっと休み両俣小屋を目指し下る。沢で釣りをしている夫婦がいた。「小屋の場所はもうちょっと先よ」と言われ先へ進む。

ようやく小屋に着くと、釣ったいわなを調理して食べてるおじさんがいた。横目でいいなーと思いながら、おしゃべりする。

川へ行ってみるとまだ釣りをしている人がいた。「釣れましたかー?」と聞くと、「いわな食べる?何人?あげるよ」と言われる。(えっ!!妙にノリのいい人だ!!ラッキー!)「ひとりです。」
早速いわな一匹を手際よくさばき、くれた。
「わーい!!!」「いわな、もらったー!!!」と他の客に見せびらかす。
「どれどれ見せて」
見てた他のおじさんが塩をくれた。さっきまでお喋りしてたおじさんが、焚き木して焼いたらうまいぞという。

じゃ焚き木するか!とウロウロしていると、おじさんたちが率先して、薪集めてこいとか紙持ってこいとか言う。はいはい〜!とウロウロしてるともうおじさんが火をつけ始め、紙も小屋からパクってきたらしい。
このたったの1匹のいわなのために!!なんていい人たちなんだ!
しかし、なかなか火がつかない。何度やってもだめなので、コンロで焼くかと諦めたが、おじさんが「ここまでやったら意地でも火をつけてやる!」とかなりやる気。
それじゃあ、と私も凄い量の薪を集めてくると「家でも作れそうだな・・・」といわなをくれたお兄さん。

焚き火 のおじさんのいわなも合わせて3匹のいわなを焼き始める。
まさかここで岩魚を焚火で焼いて食べれるなんて思ってもなかった。沢の近くの小屋ってとっても楽しい。
釣り師から岩魚の釣り方や、竿を見せてもらったりする。また欲しいものが増えてしまった。さっそく上州屋に急げ!だ。

<3日目>
仙丈ヶ岳へ向かうか、そのまま下山するか悩む。
小屋から2時間登ったところの独標というところが360度の展望でいいと聞いたのでとりあえずそこまで行くことに。
2時間弱で独標へ到着。360度晴れ渡って北岳、間ノ岳、仙丈、中央アルプスや北アルプスまで綺麗に見える。
2時間半その景色に癒され、合流した釣り師と釣りの話をしていると、仙丈ヶ岳がだんだん、いわなに見えてきた。
飛んでいる雲も岩魚に見えてきたので、両俣小屋へ引き返して岩魚釣りをすることにした。

テンカラという軽くてコンパクトなどこでも持って行けそうな魅力的な釣りざお(欲しい!)に毛針を付けるだけ。
釣り師のにいさんは誰よりもたくさん釣る自信があるらしく、実際誰よりも岩魚を多く釣っていた。 釣り方を教わり、だんだん岩魚の気持ちになっていく。が、引上げのタイミングが合わず何匹にも逃げられてしまった。とりあえず練習するのみ!

両俣小屋から下山する。この道は晴れていればすごくいい道。何しろ、北岳がずーっと見送ってくれる。しかもこの北岳は広河原から見る北岳とは違い、どうして「北岳肩の小屋」がそういう名前なのかすごくよくわかる。
北岳が羽織を着て、肩に小屋を乗せてこちらをじっと見つめていた。それから、甲斐駒が見え、さらに仙丈ヶ岳・小仙丈ヶ岳をしばらく眺めながらの沢沿いのゆったりした道。カモシカにも遭遇。晴れていればお勧めしたい南アルプスの林道だ。

北岳
北岳
広河原から北岳
広河原から北岳
北岳肩の小屋から北岳
北岳肩の小屋から北岳
肩の小屋から夕日
肩の小屋から夕日
肩の小屋から夕日
肩の小屋から夕日
北岳から朝日の富士山
北岳から朝日の富士山
北岳頂上のお地蔵さん
北岳頂上のお地蔵さん
白根中山付近の雷鳥
白根中山付近の雷鳥
間ノ岳から三峰岳へいく道、塩見岳方面
間ノ岳から三峰岳へいく道、塩見岳方面
三峰岳
三峰岳
いわな
いわな
日本酒と一緒に
日本酒と一緒に
両俣小屋の夕飯
両俣小屋の夕飯
羽織を着た北岳、その肩に肩の小屋
羽織を着た北岳、その肩に肩の小屋
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