[スタイル]単独テント
[装備]アライテントエアライズ2、軽アイゼン(6本)、ストック2本
[食糧]アルファ米(7食)、牛丼・中華丼パック(200g×2)、味噌汁、乾燥海藻サラダ、ポタージュスープ、春雨スープ10食、パン5個、ロールパン6個(フジパン、バターレーズン)、カロリーメート、蜂蜜、柿の種、チョコ
[費用]ムーンライト信州(4600円:青春18切符2300往復)、新宿-立川(450円)、信濃大町-扇沢タクシー(1500円、6000円/4人)折立-亀谷温泉(2200円)、富山-糸魚川(2400円)、テント(2000円:500×4)、亀谷温泉(600円)、ビール(500円)、カキフライ定食(920円)、駅弁(1100円)
[コースタイム]
●7月28日 雨
新宿からムーンライト信州
●7月29日(1日目) 雨ときどき曇り
05:11 信濃大町(タクシー)バスもあり
06:30 扇沢
07:45 大沢小屋 08:10
08:45 針の木雪渓 09:10
10:10 夏道(雪渓終了)
11:35 針ノ木峠
●7月30日(2日目) 雨のち曇りのち雨
08:50 針ノ木峠
09:10 蓮華岳
13:00 北葛岳
15:00 七倉岳
15:10 船窪小屋
テント場(泊)
●7月31日(3日目) 曇りのち雨
06:10 船窪テント場
07:00 船窪岳
08:45 船窪岳第2ピーク
12:15 不動岳 13:00
14:30 南沢岳
15:45 烏帽子分岐
16:10 烏帽子岳
16:30 烏帽子分岐
17:10 烏帽子小屋
●8月1日(4日目) 曇りたまに晴れのち雨
06:00 烏帽子小屋
07:30 三ツ岳
09:30 野口五郎岳
11:55 東沢乗越
12:40 水晶小屋 13:00
13:40 ワリモ分岐 14:00
15:15 黒部源流標分岐
16:00 三俣蓮華キャンプ場
●8月2日(5日目) 曇りのち雨
05:30 三俣蓮華キャンプ場
06:30 三俣蓮華岳
07:00 黒部乗越
08:00 黒部五郎小屋
10:30 黒部五郎岳 11:20
12:40 中俣乗越
13:30 赤木岳
14:30 北ノ俣岳
16:30 太郎平小屋
薬師峠キャンプ場
●8月3日(6日目) 曇り
03:40 起床
04:50 キャンプ場
08:10 折立
季節外れの梅雨前線の影響で、雨が続く中の山行だった。
今回のルートは、コースタイムが厳しい設定だと思った。山と高原地図のコースタイムであるくのがやっと。ちょっとゆっくり歩くと、コースタイムより10分も20分もオーバーして
しまう。南アルプス縦走のときは、常にコースタイムの4分の3か3分の2くらいの時間で歩けたので、北アルプスはちょっと厳しいと思った。
それにしても6日間、展望のよい山はゼロだったのは悔しい。山はやっぱり晴れがいいな〜
<◆1日目(針ノ木雪渓)>
「ひとりの人、ひとりの人」
「あなた一人?」
3人のおじちゃんおばちゃんパーティに誘われて、タクシーに乗り一足早く雨の扇沢へ。
扇沢の登山口では、救助隊のおじさんがしつこく注意してくる。
「計画書出して」
「ないです」
「じゃ書いて!!」
「親には言ってきたのか!?」
「はい」
「ほんとか?」
「(言ってないです・・・)」
計画書の詳細は、誰にも言ってないので、ちょっと書いて安心。遭難したら探してください・・・
大沢小屋に着くと、何人もの登山客がいるが、雨なので、雪渓を行くのを中止して下山する人が結構いた。
なんだか不安なまま、北アルプス3大雪渓の針ノ木雪渓を目指す。一体どんな雪渓なのかとても不安。
雪渓について、アイゼンを装着しようとするが、着け方がわからず焦る。20分くらいかかり身体が冷える。それにしても、誰も登ってこないし、雪渓には誰一人見当たらない・・。
アイゼンをつけて、雪渓登りのために持ってきた慣れないストックを用意していざ出発。アイゼンをつけていると、難なく登れる。
途中、雪渓と雪渓の間の渓流を飛びこえたりするのが怖かったが、特に急な所もなくほとんど夏道になっていたため、雪渓は難なく1時間で登り切る。
たぶん雪渓が峠まであったら上の方は結構急で大変そうだと思った。
峠に着くと、雨のため、針ノ木岳を目指す気持にはならない。
ゴアテックスの靴もスパッツも水を通して、靴の中はびしょぬれ。
とりあえず、テントを張る。
テント場は誰もいない。もしかしたら晴れるかもと期待をして、稜線近くにテントを張ったのは失敗。雨風がすごく飛ばされそうだった・・・こんな経験も一度はいいか。
それにしてもテント一人で心細い。小屋のおじさんに聞くと、テント客も小屋泊まりにしたという。小屋のお姉さんに、「すごいね、山ガール!」とか言われる。別に山ガールじゃないけど・・・。
さみしい気持ちでテントにいると、夕方テント客の大男が雷鳥とともに現れた。関西人ぽい。ウェルカム!
雨風の中、ひと晩を過ごす。
<◆2日目(蓮華岳〜船窪)>
雨なので針ノ木岳を登るきもなく、のんびりした朝を送る。ようやく重い腰をあげて9時に出発。蓮華岳へいく途中でテントの大男に会うと同時に雷鳥も出現。聞くと、
雷鳥なんて家族連れでいっぱいいるらしい。(この男、ライチョウ男だ!)しばらくお喋りして、雪渓を下って下山するという大男を見送る。
蓮華岳へ行く道にはコマクサが至るところに咲いている。蓮華岳はコマクサ岳だ!綺麗だった。
蓮華の大下りがあるが難なく超える。嫌なのは、乗越。○○岳は登りがいがあるが、○○乗越は苦手。北葛乗越を越えると、北葛岳。だけど、展望はなし。七倉乗越を越えて
七倉岳。ここまで来ると小屋まで10分。
小屋とテント場は反対方向だったが、船窪小屋を一度覗いてみたかったので、尋ねてみる。小屋に着くと、空が明るくなり、槍の矛先が見えた。小屋に入ると、
温かい緑茶を御馳走してくれた。小屋の中には囲炉裏があって、壁には写真がたくさん飾られておりとてもいい雰囲気だった。夕飯は、天ぷらなど旅館並の御馳走らしい。今度一度泊まってみようと思う。
テント場は小屋から20分ほど。今夜は、私で3張り目。
テント場の水場は、崖のところにあるため、夜は危険でいけない。
隣のテントのおじさんは、明日烏帽子を目指すらしい。私と一緒だ。この日の夜から筋肉痛から出てきたため、行けるか不安と漏らすと、それって運動不足じゃないかと笑われる。
まさにその通り。。。
<◆3日目(船窪〜烏帽子)>
今日のコースタイムは8時間。ちょっと早めに出発を心がける。なにしろ、筋肉痛で太ももが痛い。
筋肉痛のおかげで、登りも下りも悲鳴を上げながら歩く。ちゃんと辿りつけるだろうか。
この日のコースは、筋肉痛があったためが、それともコース自体がそうなのか、しんどかった。
あとから、あの道は、ハシゴや鎖などあって大変でしょ?と言われたので、しんどい道なのかもしれない。
明治大学ワンゲルOBの空色山の会の4人パーティと追い抜いたり追い越されたりしながら、不動岳で一緒に昼食。船窪小屋で作ってもらったおにぎりを
ひとつもらう。シソと玄米のおにぎりで梅干しが2個も入っている愛情たっぷりの美味しいおにぎりだった。船窪小屋の愛を感じた。
しばらく休んで出発。南沢につくものの展望はもちろんなし。
烏帽子岳は分岐で、ザックを置いて、空身で登る。登り15分とあるが、25分はかかった。何しろ、頂上はロッククライミングだ。滑落したら結構怖い。
烏帽子岳を下山して小屋へ向かい歩いていると、霧が一瞬晴れて、烏帽子岳全貌を見ることができた。あの頂上まで行ってきたのか〜
烏帽子のテント場はたくさん人がいる。15張り以上あったかな。針ノ木とは大違いだ。やっぱり人がいると嬉しい。
烏帽子小屋に着いたのは結局5時過ぎ。8時間コースのところ、11時間もかかったが、とにかくこの筋肉痛のなか、無事に辿り着けてよかった。
<◆4日目(烏帽子〜三俣蓮華(裏銀座))>
今日は裏銀座。
どうか晴れてくれー!と念じてなんとか曇り空。
以前歩いた表銀座を想像して、素晴らしい稜線を期待していたが、やっぱり今回は、白い稜線。
晴れていたらどんなに素晴らしい景色なんだろー?と想像してもできない白の世界。
野口五郎岳で。3人のおっちゃんパーティとおしゃべり。今回の目的は高天原温泉だという。そういえば、昨日のテントのおっさんも「だって温泉に入りたいもんね」と高天原を目指していた。
黒部五郎をやめて高天原に変更しようか悩む。
今夜は水晶小屋に泊まるというおっちゃんパーティと一緒に水晶小屋までなんとなく一緒に歩く。おっちゃんは、去年スイスアルプスをハイキングしてきたらしいけど、
やっぱり日本の山の方が風情があると言う。それには同感。私もカナダのロッキー山脈より日本のお山が好き。
水晶小屋までは結構な登りできつかった。水晶小屋に着くと、おっちゃんが、冷たいものでも飲んで行きなと、トロピカーナジュースを奢ってくれた。美味しかった〜
もしかしたら明日、温泉で会うかも〜とさよならをしてここから3時間の三俣を目指す。
ちょっとくだってワリモ分岐でおっさん2人がのんびりしていた。景色もまあまあ良いので私も休憩。
あまりにのんびりしてるので聞くと、ここが今回一番霧が晴れていい景色だそうだ。
滋賀から来たおっさんはなかなか面白い。おっさんたちは折立起点で黒部五郎と雲ノ平と一周するらしい。
私が黒部五郎と高天原を迷っていると、温泉なんてあまっちょろいところいかなくていいという。黒部五郎は雨でも素晴らしいと一人のおっさんは言う。
もしかしたら折立で!とさよならし、鷲羽岳を登らず、黒部源流経由で、三俣山荘を目指す。
この道は、真正面に三俣蓮華が見え、源流が流れ、お花が咲き、とてもいい景色の道だった。
三俣山荘は、美味しい水が豊富だった。テント場も川の増水が怖かったが、鷲羽根が綺麗に見えてとても良いテント場だった。
となりのテントのおっさんは、冷酒で酔い真赤な顔をしていた。明日は、黒部五郎をピストンするらしい。しばらくおしゃべりをして、雨が降って来たのでテントに入り就寝。
明日晴れることを祈って。
<◆5日目(三俣蓮華〜黒部五郎〜太郎)>
今日の行程は地図上のコースタイムだと9時間と一番長い。ちょっとゆっくり歩けばプラス2時間は見ておかないといけない。ただラッキーなことに筋肉痛がなくなった。これで普通に歩けそうだ。
あとは天気次第。天気が悪ければ、黒部五郎をやめて、5時間で着ける高天原に変更しようと思っていた。
小屋で天気予報を見ると、今日は、午前中は曇り時々晴れ、夕方雨だった。
隣のテントのおっさんは、黒部五郎をやめて鷲羽ピストンへ出かけて行った。
私は、午前中の晴れマークに少しの期待を持って、黒部五郎へ足を向けた。
三俣蓮華岳の登りは40分と書いてあったが、全くつくわけがなく1時間かかった。やっぱりこのコースタイムおかしい。。。
真っ白で寒く誰もいない三俣蓮華を越えて黒部五郎を目指す。
黒部五郎小屋までの道は、結構急坂が続くので、登りの人にとっては大変そうだ。
黒部五郎小屋に到着すると、さっき私を追い抜いて行ったおじさんが空身で五郎岳をピストンしてくるという。おじさんは、徳島から来て100名山を目指しているそうだ。
私もゆっくりあとに続く。カールは霧が晴れていて、とても綺麗だった。何度も天気予報の晴れマークを思い出して、期待する。
頂上へは分岐から空身。頂上では残念ながら真っ白。分厚いガスで30分以上待ったが、晴れる気配がない。
私が見た天気予報は長野方面で、富山方面の天気は一日中雨の予報だったらしい。
あきらめて下山、太郎を目指す。
太郎方面からはたくさんの登山客が登ってくる。でも太郎方面へ行く人はほとんどいない。
太郎小屋までの最後の歩きは、結構しんどかった。
太郎に着くと、一気に気が抜ける。プレミアムモルツを1缶飲んでしばらくまったりする。
酔ってふらふらしながら、テント場へ向かうと、管理人が帰るところだった。「テント代は明日小屋で払ってね〜」
ラッキ〜!テント代はビール代に変わった。
テント場は学生がたくさんいた。水は豊富だし、トイレもしっかりしているけど、地面が斜めで夜寝ていると滑り落ちてしまう。
6日間雨で濡れた身体が臭くて早くお風呂に入りたい。薬師岳は今度にして、明日は一番のバスで下りて亀谷温泉に行こう。
<◆6日目(太郎〜下山)>
今日も4時まで大ぶり。明日から晴れると言われ続け結局毎日雨。
そして今日も冴えない天気。
下山しているとだんだん天気が良くなってきて青空が広がった。悔しいがこんな山行もあるさと言い聞かせる。
折立に下山してバスを待っていると、おばちゃん2人がタクシーで温泉までいくからどうかと言う。
じゃあ。。。と後から下山したおじさん含め4人で温泉へ。
亀谷(かめがい)温泉は、無色透明の単純硫黄泉。10時から営業だが、早めに開けてもらい一番風呂。
風呂上りに体重計に乗ると、な、なんと2キロ増量!!なんてこった!この山行でマイナス3キロを計画していたのに、これじゃ人生最高体重じゃ(汗)
温泉を出て、バスを待つが、一向にバスが来ない。折立行きのバスを止めて聞くと、なんともう行ってしまったらしい。時刻より10分以上早く通りすぎるなんて・・・。
タクシーで一緒に来たおばちゃんは、九州宮崎の人で、それに乗れないと、大阪からのフェリーに間に合わないという。
同じ会社の有峰口駅まで行くが電車はなく無人駅で駅員もいない。富山地鉄会社へ連絡し、口論の末、無料でタクシーを富山駅まで出してもらう。
おばちゃんは間にあったかどうかわからないが、とにかく大変な人に出くわしてしまって疲れてしまった。
折立から一緒に乗り合わせた立山から縦走して63歳の誕生日を迎えたおじさんも
汗びっしょりで気疲れ気味。
もうちょっと余裕をもって計画しましょう・・・。
下界は雨で新潟方面の路線が運行しておらず、18切符でその日のうちに東京方面へ帰るのは難しかった。仕方なく糸魚川まで特急に乗り、そこから鈍行で帰宅。
とにかくひどい雨山行でいい景色は見れなくて残念だったけど、無事に下山できてよかったとしよう。
ウサギギク
コマクサ
ウスユキソウ
イワギキョウ
イワツメクサ
クロユリ
コバイケイソウ