[スタイル]単独テント
[コースタイム]
●1月7日
06:50 小淵沢駅〜タクシー
07:30 竹宇駒ヶ岳神社(登山口)
09:30 横手分岐
11:30 刃渡り
13:15 5合目
14:45 七丈小屋
(休憩1/h)
●1月8日
07:00 七丈テント場
07:50 8合目
09:00 甲斐駒ヶ岳 09:45発
10:40 七丈テント場 11:45発
13:30 刃渡り
15:30 竹宇駒ヶ岳神社
[その他]
・小淵沢駅〜竹宇駒ヶ岳神社
(タクシー行き3950円、帰り4500円)
・七丈小屋 水が無料でいただける。お湯は3000円(オーナージョーク)
・寒冷地対応のデジカメを懐に入れておいただけではダメだった。ホッカイロをともにするとバッテリーが生きる。(ホッカイロを持っていなかったら山頂での写真が撮れずじまいだった)
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黒戸尾根はなんと4年半振り2度目(あらためて年月の早さにびっくり・・・)。その時は、初めての単独小屋素泊まり山行で来たのだった。そして今回は初めての冬山単独テント。
3年前の鳳凰三山の観音岳での強風(飛ばされてしまいそうで死を半ば覚悟した…)がトラウマだったため、隣の甲斐駒に対しても恐怖感があった…
そんな甲斐駒に行く気になったのは、縦走じゃなくピストンだから。これなら独りでもいけそう♪
前回の八ヶ岳山行での、荷物が妙にある(パッキング下手?)、準備が遅い、などの反省点を生かして、今回は荷物を最低限にすべく食糧を最低限に(夜はアルファ米とスープのみ、おやつはほぼゼロ)、
シュラフはカバーと一緒に、テントは外張りと一緒にパッキングするなどして、コンパクトに。
そして重さ16キロ、夏山縦走と変わらない重さになった。でも今回持たない登攀道具などを入れたら20キロか・・・60lザックに入りきらないかも。
また超スリムかつ後ろファスナーで着けるのに片足5分くらいかかったスパッツをやめ、
友人からゲットした前マジックテープのマムートスパッツで30秒で装着完了なり。
今回の目的は、1、冬山テント装備を持って単独で歩く。 2、雪山テントを1人で立てる。3、 雪山歩きに慣れる。
4、頂上目指して行けるとこまで行く。5、ルートファインディングに挑戦などなど
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●前日夜〜七丈小屋
前日は小淵沢でステビバ。私の他に3パーティー。ストーブがあってあったかい!甲府駅より全然良い。日野春泊まりにしなくてほんとよかった…。
竹宇駒ヶ岳神社行きのタクシー仲間を探すが、残念ながらステビバ仲間にはいなかった。阿弥陀南稜や小海線で八ヶ岳東方面の登攀を目指す人たちだった。
最後の手段、早朝始発電車到着を待ってみる。すると1人いました〜単独のショウジさんという男性。
彼は普段からソロでまだ登山三年だが色んな山に行っている。点線ルートが好きで、南アの笹山が好きらしい。今度いってみよー
竹宇駒ヶ岳神社には10台くらい車が停まっている。登山客も沢山。実は狙い通り・・。正月三連休に人がいない訳がない。これで道迷いの心配をしなくてよさそう・・・。
神社にお祈りして出発。「無事にいってこれますよ〜に」。
登山道に雪はない。夏道を行く。あまりのポカポカ陽気にテンションがあがるが、時々冷たい風が吹き手指の感覚がなくなると冬山だということを思い出させられる。
横手の分岐を過ぎてしばらく行くとうっすら雪道になった。ネット上での他の登山者の記録では、この分岐あたりでアイゼンを着用していたがその必要もない。
今年は雪が少ないのかな?登りで唯一雪があったのが刃渡りのところと五合目辺りから小屋まで。アイゼンは結局使わなかった。
刃渡り辺りからへばってきた。呼吸が苦しいしめまい吐き気で足が上がらない。ゆっくり歩いてんのにこんな調子。とにかく階段がきつい。だいたいいつもこうなんだけどね。。。登りを鍛えないと(凹)。
とりあえず五合目に辿り着いて一安心する。
他の登山者のおじちゃんに、「あと200か300Mくらいだから頑張れ」と言われる。なんとか一歩一歩進みようやく小屋に着いたときにはシャリバテ。
4年半振りの七丈小屋。小屋に入るとオーナーの仙人さんが迎えてくれた。とにかくバテバテだったので、ぶどうジュースを飲み、カップうどんを食べる。
小屋が開いていることに大感謝〜!精神的にも生き返った〜
オーナーに昔、この小屋で夕飯の手伝いをしたんだと言ってみるがなんかあんまり興味なさそう。小屋泊まりの人は、ドリップコーヒーと野菜ジュースを受け取っていた。
すると、オーナーが「お手伝いしてくれたから」と、お汁粉とコーヒーをくれた。やっぱり仙人みたいな人だ。無口だけどあったかい人。
腹が満たされたところでテントを張りに行く。
テント場は小屋より200mほど上にある。結構風が当たる・・・。
テント場はすでに5張あり、あまり場所がない。テントを張ろうとしているNEC山岳会の人は、「なんで他人の雉撃ちした場所に張んなきゃいけないのよ〜(怒)」とか言っている。
場所がないので、雉撃ちの近くに雪面を整備してテントを張る。(実はテント場がもう一段上にもあることが翌日わかる。)
風が結構強くてテントがうまく張れない。手が冷たくてテントも軋むし強風で飛んでいきそうだし、
ポールをテントの角の穴に入れるのに一苦労。他人の助けを借りようと頭をよぎったが、、、頑張ってひとりで張りました・・・。急いでザックを錘に放り込み、テントを飛ばされないように
雪面にペグを差し込む。が、かなり不安。明日朝出かけて、テントが飛ばされたとしたら・・・・テントだけでなくシュラフ、マットなどなど紛失したらショックだ〜!!!なので念入りに
雪を盛ったりペグを埋め込んでみる。そうやって1時間かけて出来上がり。テント設営って大変・・・
それにしても、今日はとにかく7丈小屋まで行くのが目標だったし、雪山でテントを張る(おニューの外張りで!)のも目標だったので、もうかなり満足。今回の山行目標達成。
これで明日はまあ行けるとこまで行ければよいだろう・・・
夕飯を食べて隣テントから聞こえてくる山の歌を聞きながらシュラフに潜り込む。
とにかく風が強い。富士山でテントごと飛ばされた方を思い出す。それはないと思うが・・・。
ペットボトルとプラティパスで湯たんぽを作ったが、プラティパス湯たんぽは身体にフィットしてかなりあったかい!が、それでも寒くて寝れない。寝れない原因は色々ある、
この強風の中明日登れるかな〜とか、明日テント飛ばされないかな〜とか、色々考える。そして雪山テントではいつも呼吸が苦しい。寒くて夜中に3回もトイレに起きる。
あまりに寒いので、プラティパスの水を温めなおす。八ヶ岳のテント場より全然寒い気がする、一体気温何度なんだろう・・・
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●2日目 登頂〜下山
朝5時半頃、風が結構あるが、すでに登り始めている登山者がいる。いけるのかな〜
7合目後半から8合目に掛けてがかなり強い風。耐風姿勢の練習とかしてみる。これじゃ山頂は無理かな〜
8合目を過ぎると風が治まるが、部分的に強い風が吹く。でもみんな頂上に立っている様子。鎖場はすべて雪に埋まることなくあったので、注意して登れば全く問題ない。
山頂が見えるとかなりテンションがあがる。もうすぐだ〜!
山頂に着くと意外に風がない。8合目の風は一体どこへ?(下山も8合目はすごい風だった。)写真を一枚撮って帰ろうと思っていたが、結局45分も滞在してしまった。
山頂からの景色は最高だ!
オベリスクが独特な鳳凰三山とその後ろに富士山、愛する北岳、仙丈ヶ岳、赤岳がめちゃくちゃカッコいい八ヶ岳、中央アルプスも綺麗に見える。
こんなにいい360度の景色、夏山でも滅多にお目にかかれない。感無量!!
頂上からさらに北沢峠に縦走するパーティもいた。北沢峠側は、雪がほとんどなかった。この最高の天気なら縦走もできそうだな〜
頂上から戻り、テントを撤収して下山する。テントのポールは雪が入ると凍って次に設営できなくなるので雪の上に置かないように。(byS氏)を考えて撤収。
下山は刃渡りまでアイゼンを着用。
結構頑張って下りたはずなんだけど、小屋から4時間弱かかってしまった。
4年前に来たときは、空身とはいえ、5時間で登ったので、もっと早く下れそうなものなのに・・・納得がいかない。
それとも5時間で登ったのが蜂に追われたための奇跡だったのか?
黒戸尾根は下山の方が、その急さに気付かされる。こんなところ登ってきたのか!?と思う。
下山中に七丈のオーナーが登ってきた。女性を連れて。いつのまに下に降りてそしてまた登るとは!しかも長靴で!しかも女を連れて!
神社からは、ショウジさん、若者2人と4人でタクシーで小淵沢へ。若者2人は安川電機というとこの隠れ登山部?だった。楽しい会話で帰路に着く。「また山で会いましょ〜」
今回の甲斐駒山行は、ルートファインディング無、天気最高、雪量少でお手軽な冬山(半分夏山のような・・・)でした。一人での強風の中のテント設営はくじけそうだったけど。
ショウジさんいわく、横岳より簡単とか?でも甲斐駒は雪で鎖がすべて覆われたら相当なレベルだろうな。
今度は、雪量の多い時期に来てみたいな。