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2012年9月8〜9日 南アルプス 小太郎山〜北岳〜池山吊尾根

[ メンバー/スタイル ]
単独、テント縦走

[ タイム ]
<1日目> 曇り
前日甲府ステビバ
0640 広河原
0815 二股
0955 小太郎分岐
1105 小太郎山 1130
1230 小太郎分岐
1308 北岳肩の小屋


<2日目> 曇り
0440 北岳肩の小屋
0515 北岳山頂
0650 砂払(ボーコン沢の頭?)
0735 城峰
0810 池山御池小屋
0932 歩き沢橋
1010 野呂川発電所

[ Info. ]
・水 :ここ最近雨が降っていないと言っていた。広河原ではいつもは大量に流れている水が涸れていたため、水道で水を汲む。 北岳肩の小屋でも水場の水は涸れていた。雨水を購入する。小屋では(1L100円)ミネラルウォーターも売っている。
いつも広河原で水を汲んでいたけど、つり橋を渡った広河原山荘で水を汲むのが常識??
ちなみに川の水はもちろん少なく、釣り師もバスの添乗員も言っていた。

・歩き沢橋〜奈良田バス(1000円)、野呂川発電所〜奈良田バス(600円+協力金100円)、あとは第一発電所まで行っても奈良田まで600円かかる。11月上旬まではバスがある。

・今回はステビバ用に布(インド綿:インドで購入した)を持っていったら超快適に寝れた!わはは

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[ 1日目 ]

18切符が余っていること、マイバースデー祝いで、大好きな北岳に会いにまったり山行にいこうと思う。
今年はアルパインに燃える予定だったんだけど、結局今年の夏も縦走に終わり。本当は今年は北岳はバットレスに来たかったんだけど。。。。

北岳は池山吊尾根から登ろうか考えたけど、一人でトンネルが怖いのと道が不明瞭とのことで不安なのであきらめる。結局広河原から入り、ずっと行こうと思っていた小太郎山を目指す。
小太郎へは最短ルート、白根御池小屋経由ではなく、大樺沢から二俣経由で向かう。二俣から御池小屋からの分岐手前のお花畑からの景色がとてもきれいだった。

小太郎尾根は雲に隠れている。あまり展望はよくなさそう。小太郎尾根は2重稜線で尾根がふたつあって面白い。点線ルートだけど、踏み跡はしっかりしている。赤印やテープもある。 もしかしたら、今は点線じゃないのかな?と2007年版の地図を見る。展望がほぼなく真っ白だからか、感動はなく、とても地味な小太郎山というイメージ。 往路50分復路1hかかった。山頂から西側へ踏み跡が続いていた。ピークがあるため、行く人も多いのかもしれない。晴れたら綺麗な小太郎なのだろうか。またいつか晴れた日にきてみようかな。

ここ最近、天気がとても不安定で、またもや雷雨注意報が出ているし、北岳周辺も12〜15時の天気の変化に注意と出ていたので、昼の早いうちに小屋にたどり着こうと急ぐ。 前回の雷雨が本当にトラウマ。。。小太郎尾根は戻るときに一人小太郎山に向かう登山者1人と会っただけで、あとはだれもいなかった。

小太郎分岐から肩の小屋までは30分と書いてあるけど、急な岩場があって疲れているともっと時間がかかる。

肩の小屋は、小屋泊まりは150人らしいけど、テントは20張くらいで比較的空いていた。来週の3連休はまたすごい人ごみになりそうな予感。

テントを張って往復15分(看板には30分と書いてある)の水場に下りると、なんと水が涸れている!言ってくれよ〜山小屋の人!(広河原が涸れていたから疑っていたけど・・・)

夕方は雲が多くて、展望はよくない。一時鳳凰三山が雲の切れ間から見れて光が差し込み綺麗だった。日の入り時に少しだけ雲が薄くなって、景色がうっすら見えると、小屋から「見えたぞー!」と 大勢の人が外に出てきて、みんなおおきな声をあげて感動している。(あんまり綺麗じゃないけど・・・・)感動している人々を見てると微笑ましくてちょっと幸せ。ほぼみんな北岳初めてな感じの 人ばかりだった。

明日は最短コースの雪渓で広河原におりようと思っていたけど、やっぱり歩き足りないので、池山吊尾根にいこうかと予定変更を考える。

本日は、愛おしの北岳の肩に抱かれて?就寝。幸せ〜


[ 2日目 ]

暗闇の中、山頂を目指す。もうたくさんの人が出発している。山頂にはすでに15人くらいいた。山頂から朝日を拝めてから八本歯のコルへ目指す。

八本歯のコルに着くとバットレスが綺麗に見えるので、やっぱりこのままバットレス見ながら雪渓を下って8時のバスにのって石和温泉にいこうかな〜と頭をよぎる。 標識を見ると、地図では池山御池小屋まで3時間半なのに3時間になっていたので、それなら、と心は池山吊尾根に戻る・・・。

八本歯の頭までは、細いリッジで結構怖いような情報があったのだけど、それほど悪いところはなかった。でも冬だったらと思うと結構怖くていけるのかと思った。

冬に池山吊尾根と思って、雪の吊尾根を想定して歩いていたのだけど、八本歯から北岳山頂までは結構な急登だしリッジが細いから、単独では無理〜!!と思う・・・。
八本歯の頭からはバットレスがとっ〜ても綺麗に見えた。バットレスを登っているパーティも一組だけいたけど、今年はまだ岩が安定していないので落石が多くて怖くて登れないらしい。

北岳山頂から砂払までの吊尾根上部は、最高の景色だった。ずーっと北岳に背後から見守られて歩いてきた。 そしてこの道からは北岳(バットレス)、間ノ岳、農取岳、鳳凰三山、富士山が360度の展望で見えるのだ!白根三山を見ながら歩ける道はなかなかないだろう。 何度もやめようと思ったけど、この池山吊尾根に来て本当によかったー!!!さすが古の良きクラシックルート、池山吊尾根が好きになった。是非冬に登ってあの白根三山の雪景色を見てみたいものだ。

砂払には立派なケルンに4方向の指標があった。吊尾根以外からのルートもたくさんの人に登られているんだと、美しい北岳を見ながら、改めて日本第二の高峰北岳の偉大さを感じる。他のルートも冬に登ってみたいなぁ。
少し北に吊尾根への分岐と標識がある。そこから下ると、ハイマツから樹林帯になり、すぐに北岳は見えなくなる。

吊尾根はネットで情報収集すると、ルート不明箇所があるので、初心者、単独は控えることとあった。 でも実際はとってもよく踏み跡がついていて、赤リボンもついているので、砂払より上の広い尾根上の岩場や生い茂るハイマツでは確かにルート不明瞭だけど・・・(この辺りにたくさんテントを張った跡があり 風除けの石が積んであった)、迷うことはない。 まだ新しいそうなピンクのリボンもたくさんついていたので、もしかしたら、冬に登山を計画している人がつけていったのかな?と考える。

吊尾根は樹林帯が多く、綺麗な緑色の苔が生えていて、まさに「静かな登山」を満喫できた。 でも、ここに登山者が押し寄せたら、このクラシックルートの静かな樹林帯の道はすぐに過去のものとなりそうな気がした。

城峰辺りから左足に今までにない痛みがあって脚をさすりながらも、池山御池小屋まで難なくついた。小屋周辺は湿地帯のような草原が広がっていた。ここまで一人も会ってない。小屋にも当日は泊まった後はなかった。

巻き道を過ぎて最後の義盛新道に入ってから、いよいよルートを見失ってしまう・・・もう沢の音も下界の音も聞こえるのに。
踏み跡が多すぎて、踏み跡だけを集中して辿っていき気づくと、赤テープが見えなくなったり、道がだんだん細くなったり、どうみても登っていたり、沢に下りていたり・・・。結局道迷いを2回した。 赤テープは同じくらいの間隔でついていたので、とにかく赤テープが周りに見当たらなければ、道は間違っていると判断した。テープのあった辺りまで戻っていくと、正しい道を見つけることができた。
やはり道を見失ったら、元に戻ることが大事だと改めて思った。それから踏み跡ばかり頼りにしないでテープを見ていかないとと思った。冬だったら、この義盛新道から尾根に出れるのだろうか・・・。

道に迷いようやく歩き沢橋の登山口に到着!最後は力つきて(道迷いで精神的に)、脚も痛くて何度かこけたけど、無事に下界に出れてよかった。体力って精神的な疲れで大分消耗してしまう・・・。 そして結局北岳山頂からバスに野呂川発電所まで人っ子一人会わなかった。熊のうんこっぽいのや爪跡には出くわしたけど。

バスの時間を見ると、なんとたった5分前に広河原行きのバスが行ってしまった様子。でも行ってて良かったかも。せっかくなので、奈良田までいこうと歩きだす。 でもここ、トンネルがある・・。一人でトンネル怖いと避けてきたのに。

トンネルの中を歩くのは生まれて初めて!しかも一人〜。おばけがこわいー!!でもおばけと言っても、登山者の幽霊くらいだからそんな怖くないかな。それよりトンネル内で熊に会ったらこわい〜! トンネルの内側は、でこぼこで切り開いた跡があって、人間の力の凄さに感動。 しかもこの掘り具合がなんとも芸術作品のようだ!
などと考え、気を紛らわせながら、そしてザックの鈴を鳴らしながら進む。トンネルをいくつも通って、中でも吊尾根隧道はとっても長く、出口の明かりは見えるけれど、 歩いても歩いても着かず、だんだん出口が遠くなっていく感覚に襲われる。こわかった・・・

トンネルを5つくらい歩いて、奈良田まで歩けば歩き沢橋から10キロ3時間くらいなんだけど、足が痛いので、野呂川発電所で奈良田行きのバスに乗ることにした。

バス時間まで1時間、野呂川発電所近くでテントや寝袋を乾かして、コーヒーを沸かす。(蟻がいっぱいいたので蟻と遊ぶ。オレオをあげるけど、あんまり好きじゃないみたいで1匹だけ重そうに欠片を運んでったけど あとの蟻は、無関心だった。)

バスを待っているとちょっと遠くに2人のおじさんがいる。工事の人かと思ったら釣り師だった。
ここは釣り人が多いな〜以前の両股小屋での釣り人の多さを思い出した。この辺は、バス停じゃなくてもどっからでも乗れるらしい。

奈良田に着いて、駅までのバス時間を見ると2時間もないので、一緒にバスに乗ってきた車で帰るらしい釣り師2人に、身延駅まで乗せていってもらえるかお願いしてOKをいただく。

釣り人たちはもう何十年も釣りをしていて、最高40センチの岩魚を釣りあげたことがあるとか。専用の網を自作していて、お店で高価に売られているような素晴らしい出来の網だった。 他に釣り仲間で色々グッズを製作していてすごく楽しそう!
彼らは富士宮方面の出身で富士宮に帰って焼きそばを食べるという。そう!富士宮やきそば!!B−1グランプリで数回優勝したものだ。

ということで身延駅ではなく富士駅から帰ることにして、ノコノコと富士宮やきそばを食べに乗っけてってもらう。富士宮焼きそばは家庭的で、のれんの下がっていないお店が多いみたい。 私が行ったところも、お店の名前はなく、おばあちゃんが一人で作っていた。なにより安くてボリュームたっぷりで美味しくて最高だった!お土産にイカ玉お好み焼きも焼いてもらった。

とっても満腹な旅だった。釣り師がお土産に岩魚をあげると言ってくれたのだけど、保冷できないので断念する。また次回食べさせてほしい〜

家に帰って、脚の調子が悪い。今までに経験したことのない痛み。膝なんだけど、関節ではなくて筋が痛い感じ。病院に行ってみると、腸脛靭帯炎(ランナー膝)と言われた。 膝の固定と4週間は運動しないことだそうだ。
山がない生活なんて考えられない・・・・。すぐに治ると思っていたけど、1週間たっても痛みが全く治らない。もともと翌週のアルパインに向けた体力作りのために今回の山に来たんだけど、 結局行けずキャンセル。治るんだろうか、また山にいけるんだろうか・・・・とても不安。


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<白根三山、鳳凰三山、富士山パノラマ写真>
(池山吊尾根砂払から)★クリックで拡大
パノラマ写真


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<お花畑の花たち>






なんだ君たちは?

わーい





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<釣り師と富士宮やきそば>

釣り師に岩魚をみせてもらう うまそー

釣り師自作の網 すばらしい

名のない店

安いです!!焼きそば300円、イカ入り350円

イカ焼きそば3人前

できあがり!とにかく麺が他とは違う!(実はこの直前にトンカツ定食を食べたので、少なめにしてもらった。)

イカ玉お好み焼きも焼いてもらった

やきそばもお好み焼きもいわし粉をたーっぷり、七味をかけるのが美味い!

う宮!宇都宮やきそば☆


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★富士宮やきそば学会 ホームページ

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広河原から北岳
つり橋から北岳

大樺沢は荒れている

大樺沢から北岳

二俣から上部 お花畑

お花畑

小太郎山方面へ あまり見たことのない2重稜線

なんだか地味な小太郎山 テント張れます

北岳肩の小屋

肩の小屋テント場

今夜はちょっと豪華に?

今回はちゃんと勉強してます

台湾から買ってきた牛肉麺がめっちゃーうま!

少し雲が晴れてみんな大興奮

肩の小屋から仙丈ヶ岳方面 夕暮れ

北岳山頂から朝焼け

北岳山頂から富士山

北岳方面から間ノ岳

北岳バットレス

池山吊尾根方面

砂払から北岳

城峰

緑綺麗な静かな樹林帯

池山御池小屋が見えた!

池山御池小屋 毛布や布団があります

池山御池小屋周辺

水場と書いてあるけどあるのかな?

歩き沢橋 道迷いしながらようやく着いて安心

生まれて初めてのトンネル歩き

トンネル内はアートな世界?

野呂川隧道手前から鷲ノ住山への登山道があり、夜叉神峠へ続いている いつか来てみたい


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