[メンバー]ゲバラ、めろ
[コースタイム]
1日目
06:00 上高地
07:00 明神
08:40 宮川のコル
10:50 ひょうたん池
11:30 ひょうたん池〜東稜へ
14:45 バットレス(幕営)
2日目
06:00 バットレス
07:00 一枚岩
08:50 明神岳頂上
09:40 明神岳頂上
10:00 2峰取り付き
10:45 2峰山頂
12:20 5峰山頂
13:10 前明神沢下降地点
14:30 岳沢合流
15:30 上高地
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誰か冬季アルパイン行かないかな〜と思っていると、先日出会ったゲバラさんが行きたい!というので、
じゃあ、初心者同士でも行ける残雪期アルパインということで、明神岳東稜に行こうということになった。
でも色んな不安要素がたっぷり。私もまだまだ初心者だし、ゲバラさんは、マルチをやったことがないとのことが発覚・・・。
アルパインクライマーのHさんに不安を漏らすと、「彼なら呑み込みが早いから大丈夫でしょう、ほほほ」と言うのでそれを信じていくことを決める。
ジムと岩場でロープ操作とマルチの練習を出発前日に終了。
いざというときのためにGPSもギリギリで間に合い、怪しげながら一応使い方をマスター。
山仲間に言うと、カムを持って行った方がいい、非常事態を想定してハーケン、ハンマーなどの用意も十分に考えること、スノーバーを持ってけ、
などアドバイスをくれる人もいれば、
スノーバーを購入したというと、そんなもんはいらねぇー代わりに一升瓶持ってけ!という人もいる・・・。
万が一のために、スノーバーと土嚢袋、お守りにハーケン1枚を持っていくことになった。
色んな人に初心者同士で明神言ってくると宣言し・・・不安をあおり・・・まあ悪かったらすぐ引き返そうと、天気もよさそうなのでいよいよ出発。
上高地付近は思ったより残雪がある。
明神から明神橋を渡りひょうたん池を目指す。養魚場の脇を通り…
と行ってみると「ひょうたん池」の小さな看板。看板があるってことは、そこまで案内してるってことか!?そしてその先には赤布やテープがついている。
1箇所二俣にわかれ、地図とにらめっこするが、その先も赤テープがついてて、予想通りひょうたん池まで道に迷わない。
宮川のコルからひょうたん池までは雪崩事故が頻繁に起きているらしく、雪崩た跡も残っていたけど、今は雪がしまっていて雪崩そうな気配はあまりない。
今回ザックが18キロでちょっと腰にきて辛い。宮川のコルでアイゼンつけハーネスつけカッパ着てと装着したら、だいぶ軽くなって歩きやすくなった。
18キロの重さで岩場を乗り越える自信がなかったので、軽くなって安心。
ひょうたん池は雪に覆われてどこにあるのか見れなくて残念だった。
体力や時間によっては、ひょうたん池で一泊も計画に入れていたけど、まだ行けそうなのでバットレス手前まで行くことにする。
ひょうたん池から東稜に入ると、草付きや腐れた雪で微妙なところが多く悪いところが何ヶ所かあった。
クライミングの登りで気をつければ行けるが、滑落したらやばい場所。安全のために最初の2ピッチくらいロープを出しても良かったかも。
雪壁に横の亀裂が入ったり、溶けかかって割れ目が出きてたりした。上部は雪稜がつづき悪くない。
結局ロープは出さずにらくだのコル、バットレス手前に到着。すると今朝ひょうたん池から出発したと思われる先のパーティーが2峰を登攀してるのが見えた。
彼らはこの時間で2峰でどこに泊まったんだろう・・・?
1日目、天気は曇り空だけど、360度展望は良かった。
前穂高や常念岳がきれいに見えた。
テント場はしっかり整地されて風除けも作られていたところが2箇所あり、1箇所お借りして北風だけ防ぐように壁を作る。
ゴールデンウイークなのにテント場は今夜は私たちだけ。
テントからすぐ核心部のバットレスがよく見えるので、2ピッチ目の一枚岩をリードすると意気込むゲバラさんはテンション高い!
ちなみにゲバラさんは今年13クライマーを目指すらしい。頼むよ〜
夜は風もほとんどなく暖かかった。3シーズンシュラフとカバーで十分。テントも外張りなしだけど問題ない。
夜中目覚ましで目が覚める。まだ2時半。
私がゲバラさんに2時半から水作りよろしく〜と言った冗談を本気にしたらしい。すんません・・・
その時テントから頭を出して外を見ると満点の星空。めちゃくちゃきれいだ〜!
2日目の天気は期待大!快適な2日目を楽しみに二度寝に入る。
朝方友達からメールが来る。「冒険とは生きて帰ってくること。by植村直己」
今回の山を不安に思ってたので、勇気づけられる。サンキュ〜!
バットレスの1ピッチ目はめろリード、左から巻いて上の雪稜に出る。
2ピッチ目核心部の一枚岩、ゲバラリード。
でも昨夜から考えていた登るルートの凹角の場所を勘違いしていた。もっと右の凹角だと思ったら以外に中央の凹角だった。
見た目は手も足もあるのかないのか?結構悪そう?
実際登ると結構悪いらしく、奮闘してるらしく、まるで全力疾走した後のような荒い息づかいだけが聞こえ、ランナーとれるか〜??大丈夫か〜?と声をかけても反応無し。
セカンドで登ると結構悪いけど、頑張れば登れる感じ。確かに4級かな。リードでは、3つ目のハーケンが遠くてカムがあれば怖がらず安心して行けたかもと言っていた。
その上から頂上はロープなしでもいけるような雪稜だったけど、頂上までピッチを切って登る。
頂上直下の岩場はほぼすべて浮石で、落石、滑落しないよう気をつけて登った。
頂上からは前穂〜奥穂〜西穂があまりに綺麗でしばし見とれる。頂上で大休憩。これから登るもう一つの核心2峰を眺める。
天気は昨日よりあまりよくなく、ガスがどんどん上にあがってきた。夕がたには降るらしい。
主峰からの下りはガレ場で結構悪い。明神は浮石ばかりだ。2峰へ向かう途中ガスって真っ白になる。
2峰はめろリード、3級だけどどんなもんだろう?不安とともにとりつく。左の方のルートを弱点をついて登っていくとガイドブックに書いてあったので
その通りに行くと、ホールドがたくさんあって難しいところはなく、比較的簡単なルートだった。1ピッチで2峰山頂。
あとは5峰まで難しいところはなく、快適な稜線歩きと思いきや、ガレ場の連続。ガレ場のアイゼン歩きが苦手なゲバラさんはヘロヘロだ。
2峰から雪がほとんどなかったので、アイゼンを脱いでしまえばよかった。結局4峰と5峰の間のコルでアイゼンを脱いで、空身で5峰へ向かう。
前明神沢への下降地点のコルは、行けばすぐわかった。
でも稜線付近は雪がほとんどなく、浮石だらけで滑落しそうだ。浮石の滑落停止方法なんてあるんだろうか・・・??
すぐに雪になってしまったので、きわどい浮石とハイマツの上でアイゼンを装着。最初からつけておけばよかったかも。
最初は快適な雪渓歩きで傾斜の緩そうなところはちょこっとシリセードしてみたり。
途中、雪が妙に滑ると思ったら、その先は雪が溶けて沢が流れていた。
「隣の沢に下りてみる」と言ってゲバラさんは隣の沢に行くが、あまり雪の状態がよくなく、少し滑落してしまったようだ。私も引き返し、沢と沢の真ん中の草付きから下りる。
木がたくさんあったのでロープで懸垂すればよかったかも。
長い雪渓のあと、岳沢の一般道と合流。そこから1時間ほどで上高地。
不安要素が多くて最後まで気を抜けなかったけど、天気も良く、トレースばっちり、そして最短の2日で無事に下りれてよかった。
ルート的にはそれほど難しくないし、明神岳を一回り1周したようなコンパクトなルートだった。
明神東稜 バットレス
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●立ち寄り湯
「お食事処 しもまき」
ホームページ
沢渡の日帰り温泉。源泉かけ流し。木造の浴槽がとっても気持ち良かった。
お食事もできてゆっくりできます。
大人500円
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