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2012年7月9日 丹沢 鍋割山歩荷リベンジ

[メンバー]単独
[タイム]
0745 大倉登山口
0825 見晴小屋
0908 堀山の家
0940 二俣
1000 ボッカ地点 しばしティーブレイク
1150 鍋割山荘 1215
1235 小丸
1243 大丸
1408 大倉

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朝5時、寝ている父に気付かれないようにこっそり家を出る。昨夜始まったサマーレスキューっていう山岳診療所のドラマを見てたら、私がいつかやろうとしていることを察したのか山反対の父は機嫌がよろしくない・・・(汗)

渋沢駅で半額ミスドを発見!好物のエンゼルフレンチを2つ購入して大倉へ向かう。山でティーブレイクをしよう(^^)
月曜日だというのに、バスは登山客で満員。大倉に着くと、前回の二の舞を踏まないように、山ビル対策として、ビニール袋に塩をいただき、靴にも振りかける。

山歩きは、5月以来2か月ぶりくらいなのだけど、夏山に向けて体力を付けないとと思い焦り気味。。。
大倉から西山林道へ向かう。途中の看板に目をやると、なんと!「西山林道 大倉〜二俣の陥没による工事のため、登山者は通行できません。」
なに!!!!!唖然とする。まさかの2度目も歩荷敗退か〜???

と看板の最後に、「鍋割山へ行かれる方は迂回してください。」迂回????地図を見て迂回ルートを考える。大倉尾根を途中まで登って二俣にいったん降りて登り直し。仕方ない・・・

大倉尾根は何度も下ったけど、登りは初めて。バカ尾根は登りより下りの方がきついのかもしれない?

堀山の家に着くと、そこから二俣におりることに。でも二俣への道はロープで張られている。もしかしてここからも行けないの???それより鍋割山荘やってるの?? 心配になり、鍋割山荘に電話してみる。今日はやっていて、二俣から上の道は通れるらしい。あーよかった〜。ロープをくぐって二俣に向かう。なんかジメジメしていて、 蛭が出そうな予感・・・。

無事に二俣に着いて、蛭がついてないか確認。沢を越えて林道を進む。
ようやく見つけた!ボッカ用の水を。この水は、沢の水ではなくて水道水らしい。
2Lペットボトルを9本入れる。何か重くて1本出したり、また入れたり・・・・結局、中途半端な9本で行くことに。ペットボトルは変形してるので正確には2L×9じゃないけど。
途中あまりに重くて肩や足が痛くて、捨てちゃおうかな〜という悪い自分が囁いたり。休憩を何度かとって、登り切る。最後の0.8キロがまだかまだかと長かった〜
荷物持ってても他のハイカーより早く歩けたけど、冬山で18キロ持って歩いてたので、体力はガタ落ち・・・。しかも今回1時間半しかボッカしてないのに。

小屋に持っていくと、たくさん歩荷された水がある。小屋のおじさんのお話を聞くと、最近はトレーニングで歩荷する人がたくさんいて、先日も学生が50本担ぎあげたらしい。 ありがたいとは思っているけれど、小屋の満たんになった水タンクや担ぎあげられた水ボトルを見るとちょっと複雑。 しかも、最近は丹沢は登山客がすごく増えたと思ったけれど、それも春や秋だけで、夏になるとみんなアルプスに行ってしまうので、丹沢はガランとして小屋に泊まる人もほとんどいないとのことだ。

丹沢の現実を見た気がした。でもこの日も、たくさんの登山客が鍋割うどんを注文して忙しそうだった。

ちなみに二俣から堀山の家の道は蛭がよく出るらしく、以前も引き返してきた登山客がいたらしい。やはり!!!

鍋割山でランチ。青空が広がって風が気持ちよくて気分爽快。丸ごとトマトをかじりついて幸せ。
しばらく幸せを感じて、下山は一番安い&早い大倉尾根から帰ることにした。

鍋割から塔ノ岳への稜線も気持ち良かった。ガスで視界は良くなかったけど、暑すぎず、背中の荷物ももうないしで快適。途中で会った老夫婦が青い珍しい蝶に感動して追いかけていたりして なんか穏やかないい光景でした。

課題がたまっているので、できるだけ早く帰ろうと、塔ノ岳へは行かずに分岐から大倉尾根を下りる。前回の丹沢主稜のときと比べてほとんど脚は疲れていないので、走り下りる。

途中、全身ピカピカの1年生のような真っ青な帽子にスパッツ、真っ黄色のTシャツの70歳くらいのおじいさんを追い越す。山ボーイだ!

そのすぐあとに 単独のおじいちゃん(70〜80歳くらい)に呼び止められ足をとめる。
「消毒薬もってませんか?」見ると、腕に擦り傷が。滑って転んだらしい。
「今お茶で洗い流したんですけど。」と空になったペットボトルを指さす。 今日は最低限の雨具とヘッデンしか持ってきてないので手元に何もない。でも傷はそんなに深そうじゃないし大したことなさそう。

そこにさっきの山ボーイがいらしたので一応聞いてみる。
「消毒薬とかもってませんか?あと絆創膏とかありませんか?」すると、新品のマキロンと絆創膏をもっていたので、消毒をしたあと腕に絆創膏を貼ってあげる。
「滑って腕から着いたからよかった。顔を打つところでした。」とおじいちゃん。「そうなんですか。顔怪我しなくてよかったですね。足は大丈夫ですか??」
「足は大丈夫」と足踏みする。「足が怪我しなくて良かったですね。とりあえず歩いて下山できますから。」でもよく見ると、膝に土が付いている。
「膝打ったみたいですけど、大丈夫ですか?」ズボンをめくってみると、少し血が出ていてびっくりしていた。そこにも絆創膏を貼る。 人間てちょっとした衝撃でも怪我をし易いんだよね、というのは、自分の生傷が絶えないので身をもって感じる。

ペットボトルが空になっていたので、飲料はまだあるかと聞くと、もう一本あるらしいので大丈夫そう。
「気持ち落ち着かせてから、下ります。」とおじいちゃん。 「ゆっくり焦らず下りてくださいね。」とその場を去る。

その場を去ってからなぜか泣けてくる。傷をみて大したことなさそうと思ったけど、全然大したことある。何しろやはりお歳だし、しかも単独。そして腕をつかなければ顔から落ちていた。
よっぽど怖かったんじゃないかと思った。歳をとればどうしても運動能力は落ちるし、このおじいちゃんは、とっさの滑落でよく腕を出して顔を守ったかと思った。
「気持ち落ち着かせてから」って言うおじいちゃんの気持ち がよくわかった気がした。それに歳をとれば、感染もしやすいし、傷も昔より治りにくいから、ちょっとした傷に不安になるのは当たりまえだよね。「ゆっくり歩いても時間は十分あるから」と 落ち着いて下山できるように付け加えて言えばよかったとヌルヌル滑りやすい下山道を歩きながら思った。おじいちゃん無事に下山できたかな?

山に行くときは、応急処置ができるものは持っていこうと思った。 それに中高年者の遭難が増えているし、あの山ボーイのように、高齢者は尚更、万が一の時を考えて自分自信で準備していく必要があるんじゃないかな、と思った。


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バカ尾根を登る

ボッカ用のお水

こんな可愛い花が咲いていました

ようやく鍋割山

今日の昼飯 たらこおにぎり、トマト、パン

鍋割稜線

今日一番の木
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