[ メンバー/スタイル ]
Iさん、バリエーション
[ 装備 ]
ストック2、わかん、ピッケル・アイゼン(今回は使用しなかった)、ツエルト、シュラフ・マット、4日分食糧
[ INFO. ]
・槍平までのブドウ谷とチビ谷は、雪崩で亡くなった人もいるので注意。
・穂高平避難小屋:夏季営業だが年末年始は有人で丸太風呂に入れるようだった。
・滝谷避難小屋:テントは2〜3人用2張が張れた。15人くらいは余裕で寝れる広さ。入口内部にトイレがあり、小屋内が少しアンモニア臭。
[ タイム ]
<1日目> 雪
0900 新穂高 -2〜-3℃
1030 穂高平小屋
1310 滝谷避難小屋
1400 撤退
1430 滝谷避難小屋 0〜-3℃
<2日目> 雪
0800 滝谷避難小屋 -2.5℃
1120 新穂高温泉
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登山歴30年のIさんにお願いして、槍に向かうことに。Iさんが言う「雪をよむ」とは一体どういうことなのかを知りたくて。
自分は雪が読める、その判断でミスをしたことがないと言うIさんに付いて、Iさんの行ったことのない南岳西尾根〜北穂高〜涸沢を計画する。
が、悪天のため、山行中止に。。。
本当は天気の回復しそうな年始休み後半から、八方〜五竜岳に独りで行こうと思ってたので、後半に五竜いってこよ〜と言うと、
Iさんは、まだわからないのかと「後立山の悪さ」を私は知らないと説く。
悪天でラッセル敗退になるかもしれないけれど、その場合はラッセル訓練として・・・悪天の影響少ない大喰岳西尾根に行ってみるかと言うので、そうすることにする。
前日埼玉を出発、我ら貧乏人なので下道で車を飛ばすと、17時に出たのに新穂高到着は深夜2時前。3時まで宴会、登山者用無料駐車場でテントで就寝。
朝、空は暗い雪雲で雪が降っている。気温は-2℃ほどで-10℃は考えていたのに寒くない。風もあまりない。
朝からこの天気じゃモチベーションがあがらないとIさん。
テントを撤収して車に放り込む。「あれ?テント持っていかないんですか??」「テント?そんなもの山で使ったことがない」
え!!!実は夏でもツエルトでビバーグしたことないけど、まさかのツエルト山行だとは。-20℃でツエルト〜!!雪洞を掘ればなんとかなるかな・・・。
しかもIさん、マットも持たない。ぺラぺラの銀マのみ。それと何十年も使っている化繊シュラフ。強すぎる。ちなみにダウンは袖無ベストです。
今回は雪をよむことを教えてください、と言うと「足で感じるんだよ」と言われる。足で感じるとは??「それは自分で感じるしかない」と・・・
やはり自分でですよね・・・・
昨日西穂高岳にて3名遭難で今朝救助隊が向かっているはず。登山指導センターはみんな救助に行ってるのか静か。
しばらく林道歩き。トレースはしっかりしているけど、平坦な雪道でも足が取られて、久々の荷物持った山なので疲れてくる。
もっとストックの使い方が慣れていれば歩きやすいんだろうけど、ストックと脚にかける力のバランスがなかなかとれず難しい。
誰かストック講習しれくれないかな?
登山道になると、アップダウンがあるので少しペースをつかんでくる。
Iさんは槍平まで4時間で行くと言っている。私の脚のコンパスはIさんの2/3なので、がんばって歩いてもすぐにIさんが見えなくなる。ほんとすごいパワー・・・
さすが世界のIさん。私のザックの方が少し重い(ちゃんとエアマットと分厚いダウンシュラフ持参)し、そんなに歩けないので独りで写真を撮りながら歩く。
予想外に人がたくさん入っている。10パーティくらいすれ違った。でもあとから他の登山者から聞くと、年末年始で槍までたどり着いた人はいないようだった。
悪天のため30日から槍平で停滞していた方もいた(30日は槍平でも雨だったらしい)。
滝谷避難小屋まで行くと、小屋は凍っていて戸が開かないとのことだった。
そこで避難小屋から10分ほど行ったところで、槍平まで結構厳しいということを知り引き返し、もう下山しますというパーティもいた。
槍平までとりあえずもう少しがんばろうと出発する。私の右膝も少し痛みが出てきたけれど、あと1時間くらいなら大丈夫そう。
しばらく歩いたが、途中でトレースがなくなる。右上にトレースらしきがあるが、Iさんは前方の斜面をラッセルでトラバースする。私もIさんに続いていくが、
雪が流れ傾斜もあるので、気をつけないと谷に落ちてしまいそう。小さく蟻のように白い世界に見えなくなりそうなIさんが、戻ろうと叫ぶので少し安心して引き返す。
進むほどどんどん悪くなってきたとのことだった。「こんなところで命を懸けたくない」の一言で撤退決定。
右上に進んだ3人パーティと中国人単独男性も引き返してきた。降雪でトレースなく、ラッセルの状態、時間も2時なので槍平まで行くより
避難小屋まで引き返した方が良いと決めたようだった。
みんなで避難小屋まで引き返す。すでに降雪で来た道のトレースも少し消えている。
滝谷避難小屋に到着。
他の登山者は、「なんでこんなところに避難小屋があるんだろうとずっと思っていたけど、ようやく今その意味がわかった」と言っていた。
小屋に泊まるか、そのまま下山するか、途中でツエルトビバーグするか悩むが、私の膝もいまいちだし、ツエルトも経験してみたいけど、せっかく小屋があるのだから
泊まろうということにした。
小屋の入り口の雪を整備して階段をつくる。小屋の中は窓がひとつあるけど真っ暗。銀マットが数枚置いてある。
小屋の中にトイレがあるけど、中は見ないほうがよさそう。すごいアンモニア臭で、小屋内まで臭うけど、そのうち気にならなくなったのは、夕飯の臭いで
かき消されたのかも。
小屋の裏にトイレに行くと、四角く切り取られ、深さ50センチほどの立派なトイレが出来上がっていた。
すごい!!!!その立派さに感動。中国人のまだ若い男性が作ってくれたようだ。昔は中国人は不潔なイメージ(私の中国人の友人は人前で鼻くそほじったり
、でかい音を出して痰を吐き出したりしていた。インド人の友人はチャイニーズは不潔だから嫌だと言っていた)は昔のことで、
今やチャイナ強し!をトイレの出来栄えで感じた。見習わないと。
小屋の気温は-2℃程度であまり寒くない。しかも今回は-20℃になると思って、昔買ったフェザーフレンズの分厚いダウンを持ってきたのでポカポカする。
でもIさんは寒そうでガタガタ震えている。ダウンもベストで、化繊シュラフに脚をつっこんでるけど、普通に考えて寒そう。
これまで厳冬期の冬壁をその格好でやってきたのに、、。あまりに寒いを連発するので、私がいつも愛用するプラティパス湯たんぽを作って渡すと、
「プラちゃん愛してるよ〜!もう一生離さない!!」といつもは落ち着いているIさんが感激してこれまで見たことのない笑顔。
よかった〜正月早々、こんな幸せな人を見れるなんて。
その後47歳Iさんとプラちゃんの滝谷結婚を挙げました(笑)が新穂高離婚しました。
避難小屋ではツエルトを貼って壁を作り宴会。この雪ではもう登れないし下りるだけなので、持ってきた焼酎のみまくり、作ってきたペミカンもがっつり使って
タイカレーうまし。ポップコーンも作り放題・・・。
翌朝、空は少し明るいけれど、雪は降っている。
もちろん撤退下山、気をつけるのは、ふたつの谷の雪崩。昨日はチビ谷で表層がさらさら流れている箇所があったが、今日は膝上まで埋もれラッセルして通過、
ブドウ谷は雪面が締まり風で飛ばされたためか積雪はなかった。
3パーティラッセル交代でいきましょうと下山を開始。でもさすが世界のIさんパワフルすぎて結局一人で林道までラッセル。
下山まで入山する登山者は10人ほどいた。少し太陽が出てきたけれど、天気が回復しつつも、あの降雪ではと思う。
林道の雪で雪庇について教わる。上から歩いて点線を作ると踏みぬくけれど、下から昇り詰めて、雪庇にトンネルを作って上にあがることはできる。白馬主稜や
不帰第1峰などがそうだと言う。ただ下から登り詰めた後、横に点線を作ると落ちてしまうので気をつけないといけない。実際に雪を使って上から線を引くだけで
下に落ちるが、下から線を挙げてもちゃんとトンネルができる。東面にできやすい雪庇の下に雪洞をつくることもあると教わった。
今回は「雪をよむ」「足で感じる」を考えながら歩いたけれど、まだまだまだ経験しないとわからない。
下山後、近くの公衆温泉「荒神の湯」へ。その後、早く下山してしまったので、日本海を目指すことに。
富山で、氷見産の寒ブリと白エビ揚げ、刺身、富山の純米酒を買い、日本海親不知へ向かう。
親不知で荒波の音を聞きながら宴会。風がかなり強かった。
翌日、糸魚川経由で、白馬経由で関東への帰路を行く。糸魚川のヒスイ峡にある明星山の岩場を見学しようと思ったけど、すごい雪で入れなさそうなのでやめる。
白馬まで来ると、青空が少し広がり、本当は今日から五竜を考えていたので少し残念に思うが、五竜の方はまだ雪雲がかかっていて、積雪もすごそうなので、
もし行っていたとしても、天気がよくてもラッセルで敗退だったと思う。
蓮華岳から南部の山々、餓鬼岳、大天井、蝶、常念が晴れてとてもきれいだった!神々しく輝いている山にいますぐ登りたい気持ちに駆られる・・・。
悪天の北アルプスはまだまだ経験不足だし、この正月、山は人を寄せ付けなかった。でもやっぱり山は美しいと感じた。
山が登ってもいいよ、というときにまた来よう。
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<下山後グルメツアー奥飛騨〜日本海〜穂高の旅>
胃がもたれている。うまいものを食べすぎた〜 入山前夜から酢豚、タイカレー、奥飛騨ラーメン、飛騨牛メンチカツ、刺身の盛り合わせ、脂ののった寒ブリ、白エビ、純米酒、
焼酎、わさび農場での試食三昧、わさびコロッケ、大盛ざる蕎麦、、、まだ色々食べた気がする。もうお粥しか受け付けない。
奥飛騨温泉郷 栃尾温泉 荒神の湯
シャンプー・リンス、洗い場なし。洗面器あり。料金は志で200円程度。友人は貧乏なので無料・・・私は学生なので100円を・・・
荒神の湯 ちゃんと男女別になってる
雪景色絶景の貸切!!
ぬるめだけど、出てくる湯はあつい。気持ち良すぎて岩に寝そべりながら長時間まったり。ずっと入ってられる。
奥飛騨ラーメン 自家製チャーシュー入り!
○ル○イラーメンとはちがう
早く下山してしまったので、日本海を目指す・・・。富山で氷見産寒ブリ(6切780円!!)と白エビ揚げ、刺身、富山産純米酒を買い込み、糸魚川親不知へ向かう。
道の駅親不知でテント張り宴会。
親不知から日本海
道の駅親不知は、高架下にあるため、雨雪を防げるし、ビバーグにちょうどよい。ちょっと風雪が強いけど
ここは親不知
荒波〜
日本海の荒波の音を聞き新年の気持ちを新たにする
穂高にて。人生で一番うまいと思う蕎麦。車や。夏に来て以来2度目。今日は開店早々11時過ぎなので列は出来てないけど、中は客がたくさん
大盛ざる600円ちょい。この麺の歯ごたえ最高。つゆも美味しい。安曇野産わさびもやさしい辛さでほんと美味しい。
完全に観光。大王わさび農場とかっていう大正時代に開拓が始まったわさび農場へわさびを買いに。