[ メンバー/スタイル ]
2人
[ 装備 ]
冬壁装備
[ タイム ]
1500 美濃戸口
1800 行者小屋
0445 行者小屋
0600 第一岩峰
0900 第二岩峰
0945 稜線
1100 地蔵尾根分岐
1130 行者小屋
1415 美濃戸口
------------------
青空広がる、風もない、あたたかく、春のような山でした。もう3月、もう春。冬山が〜!
谷川東尾根にいこうという友達の誘いだったけれど、
前日気温が急激に上がるという予報だったので、雪の状態があまりよくなさそうと思い、八ヶ岳石尊稜へ。
このルートでつい先週、女性が亡くなられた(体調不良?)ので、どんなところなのかちょっと心配。。。
ついでに先々週から痛む右手つき指はX線で骨に異常はなかったけれど、トレーニングに片足スクワットしたらたったの5回でまたもや膝に痛みが出て失敗。。。
石尊稜は、初心者向けルートらしい。
でも初級ルートといっても、歯が立たない程難しいところはないと思うけど、悪いとこは悪いし危なっかしいし、滑落の恐怖で怖い。
一体いつになったら(どうやったら)中級者になれるのだろうか・・・。
そんな状態だけど、今回はテントに荷物デポして空身で行けるし、小屋で水ももらえるだろうからと、気が楽。
それに天気図を見ると、どう考えても最高の天気が予想される。
かなり期待大!!
だけど、また春山のような厳冬期登山。。
もっと鍛えないとと思う自分と、山に癒されたい自分が勝手に葛藤しているので、心のもやもやは
山行を終えた後でも続いている。
前日はものすごい風で、東京郊外の電車も見合わせになっている。こんな日に山に登っている人はいるんだろうか。
我らは、やる気がないわけじゃないけど、茅野駅発13時45分のバスに乗るためのんびりな出発。
最近疲れておかしな生活を送っていたので、朝ゆっくり鈍行でいっぱい寝れてよかった。でもさすがに4時間半座りっぱなしは疲れた。
今回は赤岳鉱泉ではなく、下山ルートの地蔵尾根から近く下山が早くできる行者小屋にテントを張ることにする。
行者小屋では水がないので、美濃戸山荘でくもうとしたら、営業していなかった。いつも、あたたかい番茶と野沢菜をだしてくれていたのに。今年はお休みなの?
仕方ないので、途中の沢から汲むことにした。沢が結構流れているので、どこからでも汲める感じ。2人で6L強汲んでいく。
行者小屋へ、なかなか着かなくてヘトヘト。ヘッデンいらないギリギリの時間で到着した。テントは、小屋の軒下へ。ここ張っていいのかよ!?と
言いながら、Mさんはいつもここに張るというので、そうする。半分小屋みたい・・・
水を作らなくていいから、ほんとに楽。今夜は、高野豆腐きのこ味噌汁と赤飯、焼酎のつまみに、鮭とばとビーフ。焼きチョコを焼いてみると、フレンチのデザートみたい
な美味さだった。
夜は雲ひとつない満点の星。えへへ〜予想通りの天気だ〜!!
きらきらしていて今にも流れそうな星があって、流れないかな〜何願おうかな〜と思いながら空一面の星をずーっと見ていた。
3時起き。結局出たのは5時前。でもあたりは暗闇。取りつき6時ころにようやく明るくなってきた。
沢沿いに入ってすぐに、後続の体つきの良い男性2人パーティが早そうなので先にいってもらう。トレースはバッチリついているので、迷わない。1段目の岩場までは、草つきの岩場で滑落しないように
気をつけて行く。
第一の岩場は3級プラスの核心らしい。超久しぶり1年ぶりくらいにリードする。あまりに久しぶり過ぎて、こわーい!!足が震える。。。スタンスはたくさんあって、それほど難しくないだろうけど、
緊張で焦り気味。第一の岩場は1ピッチで抜けれそうだけど、カラビナが足りなくなって、気疲れしたので、リード交代。
そこから上半分は、Iさんリードでハング気味な草つきを超えて行く。
Iさん、ハング好きだね。。。私はセカンドだから行けるけど。。後続3人パーティは、ガイド登攀みたいで、ここの岩場では下部は簡単な左から、上部も左からトラバースして登って行き、
登り慣れている感じだった。
ロープを解いて、しばらく雪稜と草つき岩場を気をつけながら超えて行く。
第二の岩場は、ヒロケンのチャレンジでは、下部がV+で核心らしいけど、2010年の山と渓谷では上部がW級で核心になっている。Iさんにリードしてもらう。短いけれど、垂直気味な岩場のトラバースで
怖かった。。
私は第二の岩場の方が悪いと思ったけど、Iさんは、私がリードした最初の岩場が悪かったらしい。お互いいつも感じ方が違うのは、
得意不得意の違いか、リードORセカンドの違いか、、、。ここから上は、リード交代するも、草つき岩場のなだらかな雪稜なので、アンザイレンで登る。
すぐに稜線が見える。稜線に出ると圧巻の景色。最高のご褒美!「すごいよ!早く!」とIさんを呼ぶ。富士山が目の前に突然現れたので大感激だった。
Iさんはこれまでの雪山で一番最高の天気だったと言っている。
天気図どんぴしゃで本当に最高の快晴だった。
このルートは北アルプスを背後に登り続け、右には阿弥陀岳、中岳、赤岳を見上げ、左には大同心や小同心の岩場を見て、南アルプスも見えるし、最後には富士山が拝められるルート、
ついでに今回は快晴無風でそよ風がたまに気持ち良い、あまりにのんびりしすぎたお手軽雪壁ハイクだった。ルートの支点はすべてしっかり打って整備されていた。隣の中山尾根にもたくさんの人が取りついていた。
でも風が強いと結構厳しいルートなんだと思う。あーまたこんなお気楽な冬山を経験してしまった。。。。
石尊峰から赤岳を眺める。こちらから冬の赤岳を見たことがなかったので、いつも見る赤岳とはまた違った風貌でとってもかっこいい。
稜線や下山道にした地蔵尾根はたくさんの登山者がいた。特に単独登山者が多かった。地蔵尾根上部の尻セードは雪質最高でお尻に優しく、超気持ちよくて楽しかった。
途中でシリセーダーが一般道から外れて尻セードした跡がついている。これは近道なのか??でもどう見ても谷の中に滑って行っている。尻セードのプロかも?あとに続こうと思ったけどちょっと怖いのでやめとく。
行者小屋には稜線から30分で到着。小屋の屋根の下に張ったテントは、無事でよかった・・・。テントを片して下山。
美濃戸までは、雪が硬くて、尻セードもできない。
Iさんは尻セードが諦められず、なにか思いついたらしい。シャベルとピッケルを取り出し、ほとんど傾斜のない登山道で滑ると言う。こんなとこで滑れるわけがないと馬鹿にしていると、
ものすごい勢いでシャベルに乗って滑って行った!あまりに速くて危険なので、Iさんヘルメットを装着。まるでボブスレーだ。(笑)
私もやってみようと、シャベルとアックスを出すけど、全く滑らないし、お尻が痛くて座ってられん。才能がないのかと思って、Iさんのを借りると快適に滑れた。
Iさんのシャベルはお尻に合いそうな丸っこい形で滑りやすそうだった。林道に出ても、Iさんはボブスレーで下り、真面目に歩いている登山者に挨拶をすると無視されていたけど、
トラックのお兄さんに褒められて喜んでいた。
途中で、赤いプラスチックのソリを持った人が見えたと思ったら、ソリに乗って、すごい早さで林道を下っていった。ひゃーあれにはかなわん!上には上がいた。
茅野駅で薄っぺらい丸いプラスチックものをザックに着けている登山者がいた。聞いてみると、テント設営の整地くらいはできるシャベルだけど、シリセードにも使えるとのこと。
Iさんこれを知って興奮気味。シリセーダーは確実に増えている??
時間を金で買い、何年ぶりかにあずさに乗って帰途につく。今日も親父が家に来る頃には、何事もなかったかのように炬燵でぬくぬくお勉強しているのでした。
----- ----- ----- ----- -----
●八ヶ岳の動物たち
ぼく、人間に興味深々
鹿ちゃん お父さんお母さんがうしろにいます
ホシガラス
まいう〜
コガラちゃんも何か食べてます
カモシカさんは何を噛んでいるの?煙草?
----- ----- ----- ----- -----
今回山で考えたこと。
−6℃で手の指先はもう感覚がなくて、何をするにも上手くできない。
Iさんは、手汗がすごくて、夏は岩場でもジム行ってもヌルヌルして大変な様子で、
通販で汗を止める変な機械買って頑張っているけど、
冬は、悪天の稜線以外は、手が冷えたことがないらしい。
登山家の和田城志さんの、足に足型が出来るほどのバリバリの氷が張り、
誰が見ても完全に凍傷と思われても、本人は気にせず、足の指をもんだだけで、
結局、下山後も一枚の皮すら剥けることなかった。
という山の記録を読んで、やっぱりもともと雪山に適した身体の人っているんだと羨ましく思う。
Iさんもそんな感じなのかも。でも末梢が冷えないようにする方法ないかな。ちょっと色々探したり試したりしてみよう。
そうじゃないと、雪山がつらい。。。し、何もうまく出来ない。。
----- ----- ----- ----- -----