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2013年3月24〜25日 谷川連峰 茂倉岳

[ メンバー/スタイル ]
単独

[ 装備 ]
エアライズ1(夏外張り)、3シーズンシュラフ・カバー、ピッケル、わかん

[ タイム ]
1日目
1010 土樽駅
1040 駐車場(本来の冬登山口だけど、通り過ぎさらに左へ・・)
1130 右にトラバースしてトレース合流(このトレースも誤り)
1200 本来の登山道に合流
1420 矢場ノ頭(幕営)
2日目
0510 矢場ノ頭
0650 茂倉岳山頂
0730 矢場ノ頭
0850 下山(駐車場)
0930 土樽駅

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最近誰かと山に行くことが多かったので、1人で山に行きたい気持ちになった。気づけば3カ月も単独泊山行していない。 仲間と行く山と独りで行く山は全く別もの。独りで行く時は、だいたい修行のような、精神統一というか、下界でごちゃごちゃになった 気持ちをまとめてくれる。そして癒されに・・・

地図を眺めてた。お金がないので出来るだけ安く、近場で、山で泊まれる雪山はどこかな。丹沢は雪が消えちゃったみたいだし、雲取山も何回か行ったし、北八ヶ岳もイマイチ、、、 行ったことがないところがいいな。

ネットで色々調べてみる。すると、去年から谷川岳に来る度に気になっていた、先っちょのトンがった三角の山は、上州のマッターホルンだということを知る。
上州のマッターホルン!雪の大源太山に行ってみたい!と思い立ち、計画を立て始める。といっても前々日に。

簡単に行ける旭原までは冬季はバスが走っていない。蓬新道は沢沿いで雪崩怖いから避けたい。 駅からとなると、土樽駅から。茂倉岳経由で目指そう! でも雪の大源太山や茂倉からの記録はネットで探してもほぼない。大源太山登攀や武能岳西尾根(何年か前に岳人に載って、登攀要素のある結構悪いルートらしい。)とか面白そうな記録や、茂倉新道敗退とかの記録はある。
雪の状態によって全く進める具合が変わりそう。とりあえず行ってみて、ピストンか、東に下りるか考えよう。

最近だらけた生活をしてるので、朝準備しようと4時半に起きたものの、準備して行動食も買ってとやらやっていたら、 ダッシュで頑張って駅のホームへの階段を駆け上がった時には、電車の扉は閉まってしまった。いってしまった・・・。

仕方ないので次の電車に乗る。
そういえば、家のコタツ消し忘れた…
スコップも忘れた・・・と後で気づく。スコップはそんなに雪はもうないだろうし風もなさそうだし、何とかなりそうかな。 直前にテントも忘れそうだったので、よかった・・・。やっぱり朝に準備するのは駄目だね。

次の電車に乗ったけど、水上から先はほとんど電車無いので、途中で長時間待たないといけない。水上駅は何もないから高崎駅構内で時間を潰すことにしよう。

駅弁屋を見ると、以前から食べたかったけどいつも売り切れだった大人気の高崎名物の朝粥がまだあるみたい! おにぎり買ったけど、たべちゃおー!「朝粥ありますか?」
「朝粥ありますよ!」と店の姉さん嬉しそう。今日は珍しく残っていたのかな、ラッキー。海老と栗が入って、塩と梅と漬物ついて、最初、んっ病院食??と思ったけど、 塩や梅入れたらとても美味しかった!

朝電車に乗ってるときは雨だったけど、土樽駅からしばらく歩くと快晴に。途中分岐から茂倉新道方面は除雪されてない。茂倉岳方面や万太郎山の白い山々が青い空に映えて綺麗!

ブナ林に入ってすぐにトレースが分かれる。右か左か、、、私が遠目からずっと茂倉新道だと思っていた尾根は左なので目指して進むと、トレースが引き返している。
それでもしばらく進んで沢を超える。やっぱりこっちの尾根じゃないのかな…地図を見て尾根の方角はあってるけど、尾根がたくさんあって、 流れてる沢も地図に載ってる沢なのか載っていない沢なのか判断つかず、、ギブアップ。取りつきを探すのは難しい!
また違う尾根を登って敗退するのも嫌なので、携帯GPSで確認。

私が茂倉新道かっこいい!あれを登るんだと思っていた尾根は武能岳西尾根だったみたい・・・。
えっこれ?という印象の地味な尾根がこれから登る茂倉新道。ちょっと残念。

しばらくいくと、またトレースなくなった・・・たぶん最初の分岐が右だったんだろうと、戻るのは面倒なので右にトラバースしてくと、トレースに出会った。 これはもしや達人のトレースかな、と期待してると、だんだん藪の中に入り急登。(あとで、この辺で右斜面に突然登り始めたのは、そのまま直進するとクマの足跡に 着いて行くようになったため、ということを前日このトレースをつけた方に聞くことができた。)
しばらくいってようやく一般道にぶつかる。赤テープたくさんあり、とてもなだらかで広い尾根にでる。

途中から雪庇は崩れているし、夏道もたまに出ていて木の根っこで、歩きにくい。雪がズボズボでわかん着けていたけど、わかん外してツボ足で登る。
とにかく雪が腐れてるので、雪庇からだいぶ離れて歩いた。

しばらくいくと、ようやく樹林帯を抜ける。武能岳西尾根、足拍子岳、万太郎山も綺麗に見えた。美しい360度の景色を見ながら歩く。矢場ノ頭らしいものが見えた。 とにかくあそこまでもう少しガンバ!なんかテントみたいなのが、張ってある、誰かいるかも。

今日は誰か下山する人がいるかと思ったけど、まだ誰にも会っていない。

矢場ノ頭にはテント1張で1パーティ、女性2人と男性1人がいた。昨日入って初めて人に出会ったとのことだった。
後から伺うと、北多摩山の会の方だった。 昨日茂倉新道で入って、今日は茂倉岳だけピストンしてきたらしい。

私はいけるとこまで行って、避難小屋辺りかどこかに幕営しようと思っていて、矢場ノ頭で時間もまだ2時半ともう少し行ける感じだったので、 避難小屋まで行こうか悩んでいた。だけど、聞くと避難小屋は雪に埋れて見えないという。 こんなに雪が溶けかかっているのに、小屋が姿を消すほど積雪があるのか疑問だった。 去年に今季の積雪でつぶれるかもしれないとのことで修理した様子だったので。小屋辺りは、 一応平らだけど、風が強くなったら吹きざらしとのこと。昨夜はすごい強風だったらしい。

ここで幕営したら先へ伸ばせないなぁという気持ちと、今張っても本も持ってこなくてヒマだな〜っていうのと、ちょっと疲れたし張っちゃおうっかなと言う気持ちで、 色々悩んだ挙句、結局矢場ノ頭で、テントを張ることにする。
翌日の天気は回復傾向だったけど、実際は天候悪くなったため、ここでテントを設営して正解だった。

登ってきた茂倉新道を見ていると雪庇が突然崩壊した。私ができるだけ内側にと雪庇からだいぶ離れて歩いたトレースはセーフだった。でもそこから2mくらいのところは崩壊していた。
こんな間近で雪庇崩落を見たのは初めてだったので、恐ろしかった。

テントはスコップ忘れて、貸していただけるとのことだったけど、何とかなると思っていたので、ピッケルだけで整地してみる。雪が扱い易いため以外に問題なく、30分ほどでテント設営完了。
エアライズテントは1と2を持っていて、今回は最近あまり使わない一人用を持って来たんだけど、思ったよりデカイ!あれーこんなにおっきかったかな?
夏の縦走は広々大きいのが良いけど、冬は整地があるから、一人なら小さめのが良いかもね。何日も停滞となったら話しは別だけど。。。

しばらく360度の絶景を眺めながら、おやつタイム。
全くの無風で風がない…全然寒くなくて夏山みたい。まったり、景色に満たされる。

雪が汚い&水作るの面倒と思い、水を2l持ってきたので、あんまり水を作らずに済んだ。
準備適当過ぎて質素な夕飯後は、夕日が綺麗だった。明日も期待できるかな。

夜寝てるとそんなに気温低くないと思うけど、3シーズンのシュラフだとやっぱり寒くて寝付けない。足の指の感覚がほとんどないので、摩ったりマッサージすると、 血行良くなったのかなんとか眠れる。

朝4時、星が見えない。天気悪いかな?5時過ぎ、薄暗い中、茂倉山の向こうに朝日が拝めることを期待して空身で出発。 昨日の雪庇崩落を見たばかりというのもあるし、雪庇からだいぶ離れて歩く。

太陽が出ない。山の上はガスで何も見えない。風も出てきて顔が冷たい。風速はでも10mもないかな。気温は-3.8度。 途中から視界が10mか…ホワイトアウト。なんだかようやく冬山って感じ。今冬はずっと天気よかったので。

でも人がいないホワイトアウトって初めて。トレースも昨日の1パーティのもののみで消えかかっている。
方角はホワイトアウトでも確認できるけど、それだけだと不安なので、とりあえずトレースを頼りに戻ってこれるように、 昨日のトレースに沿ってさらにトレースが濃くなるようにその上を歩くようにする。雪が降りはじめたらアウトなんだけどね…。あとは出来るだけ、傾斜や生えている草や地形やトレースのうねり具合を 記憶して後ろを振り返りながら進む。
トレース消えて、視界効かず、本当に身動きが取れなくなったら、ああしよう、こうしようと色々考えながら歩く。 尾根も広いので、ちょっと不安。戻ろうかと考えながら、もうちょい行けると思って歩いていると頂上に到着。

茂倉山山頂は、ホワイトアウトで視界なし。標識を見て、こっちが一の倉、こっちが武能岳、と真っ白で全く何も見えないので、下山。 かなり記憶していたので自信を持って進む。あっと言う間に矢場ノ頭。

実は、頂上へ向かうとき、風が思った以上に吹いてきて、テントが飛ばされないかずっと心配して頂上に向かっていたので、 ちゃんと残っていて良かった。。。 時間はまだ7時半、他にも登れそうと思いながら、頂上から下山中に雪もチラつき初め、もう結構満たされたし疲れたので、そのままテントを撤収し下山することにする。

下山はたまにシリセードで、すぐ下りれた。駅までの道から山の中に猿の大群が見えた。威嚇しているようだったけど、お話したいと思って、キィー!って真似ると反応なく、両手挙げると 怖がって真っ赤な尻向けて逃げて行った。森の動物とお話できるようになりたいな。

昨日の登りが結構大変だったので、ちゃんと赤テープを辿ると、全然違うとこに着いた。これが正しいルート?昨日のルートはなんだったんだ??
これは冬のルートで尾根の末端から登るらしく、昨日のルートは夏用とのことだった。

下山後、次の電車まで3時間弱ある。
同じく下山してきた北多摩山の会の方々が、タカマタギの取りつきを見に行ってみるとのことだったので、私も興味深々でついて行ってみることにした。
駅からそのまままっすぐ直進して雪の階段を登り下りて行くと、国道に出て、左に進む。右手に足拍子山や荒沢山があり、魚野川が流れてとても綺麗な景色。魚野川下流にとても綺麗な雪山が 見えたのはどこの山だったんだろう。
さらに行って橋を渡って左側に行くと辿りつけるらしかった。

谷川周辺は、雪の時期にこそ行ける山々がたくさんあって興味をそそる。でももう雪の時期が終わりなのでとても残念。夏には登れないこの辺の山をいろいろ登ってみたいものだ。

山の会のみなさんは、登山歴長くて、海外の山もヨーロッパ、ヒマラヤ、アラスカ、たくさん登られている。すごい人たちだ。 普段もバリエーションルートをたくさん登られていて羨ましい。今度ぜひぜひ色々教えてほしい。

帰りの電車も山の会のみなさんと一緒にビールを飲みお喋りしながら帰ってきました。

とても充実した山でした〜
ありがとうございました。

マッターホルンの道は遠かったけれど、またリベンジに来よう。

北多摩山の会 ホームページ

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●高崎名物駅弁 朝がゆ

大人気 朝かゆ ついに。\350

「お気をつけていってらっしゃい」

なんか色々はいってる!

栗と海老 梅と塩

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●下山後 

タカマタギの取りつき見学ツアー 土樽駅からまっすぐ下ると

国道に沿って

足拍子山、荒沢山と魚野川

タカマタギかな?

北多摩山の会のみなさま

道端に生えていたふきのとうを採り、、

帰宅後さっそくから揚げ 白ワインと合う


初下車の土樽駅 無人駅

快晴!

茂倉は直進だけど、ここから徐雪なし

何山?風強そう

万太郎???と思ってたけど仙ノ倉?

真中の尾根を茂倉新道かと期待していたら西尾根だった。茂倉は手前

かっこいい木

わかんのトレースの後を追う。ひとりっぽいけど。

辿ってきた藪こぎ急登を終えて、

ようやく一般道に。ほんとはここから来れればよかった。
ここからはいきなり緩やか

万太郎かとおもいきや、左は仙ノ倉??右は??

歩いてきた道

仙ノ倉?なんでも良いけど美しい

歩きにくい

ちょっとバオバブっぽい?

  崩れたセッピも根っこも歩きにくい

仙ノ倉?

茂倉岳と矢場ノ頭が見える

雪庇から向こう

もうちょっとで矢場ノ頭

振り返ってみる

矢場ノ頭から茂倉岳

歩いてきた尾根の雪庇がすごい音たてて崩壊

矢場ノ頭の下でピッケルでテント用整地

ちょっと斜めってるけど、、絶景だー

矢場ノ頭から仙ノ倉?

矢場ノ頭から

これ、山で結構いける

日の入り

テントから絶景

夕焼け ちょっと雲多い

茂倉岳方面

矢場ノ頭から夕陽

晴れますように!

翌朝、茂倉岳へ。ホワイトアウト

トレース頼み

茂倉岳山頂 ホワイトアウト

ちょっとしたナイフリッジ

雪庇すごい崩壊している

山頂から下りて振り返る

下界へシリセード

こんなとこに出た。全くの想定外。

ここから、右前方の建物の駐車場の奥から登山道に入れる。

お猿さん 友だちになりたい

破れたモンチュラパンツ。アイゼンガードのはずなんだけど

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