[ member ]
釣り師匠、北岳単独
[ time ]
07:00 甲府駅〜バス
09:00 広河原
03:50 広河原
07:45 八本歯のコル
08:55 北岳山頂 09:20
09:40 北岳肩の小屋
10:25 二股への分岐
12:50 広河原
14:00 バス〜甲府
[ tool ]
釣り:テンカラ、毛針、偏光グラス、沢靴
空身登山:スニーカー、ストック、ガス
[ notice ]
・大樺沢ルートはすべて夏道。
・8月に何度も周辺で熊が目撃されている。
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山に帰りたくて、下界の大量の課題から逃避し、
山へ…
といっても、軽くしか歩けないと思って、低山は暑いから釣りでもいくかと、釣りの師匠に奥多摩の沢に釣りいこうと誘ってみる。
ところが、奥多摩ではなく、広河原に日帰りで釣りにいこうということになり、急遽南アルプスへ。今はテンカラしか手元にないので、奥多摩の狭い沢では釣りはダメだったらしい。
まさかのまさかの南アルプス〜!
そこまでいくなら、ちょこっと山を歩こうかな…と、師匠は日帰りで可哀想だけど、テントを持っていくことにした。
広河原に着くと、夏休み最終日で帰る登山客がたくさん。
みんながテントを片付ける中、広河原にテントを張って、釣りに出かける。
野呂川は2人の釣り人が入っていたけど、すごく浅い沢で、師匠がいきなり2連続で26センチ、27センチのイワナを釣り上げ、顔から笑が溢れている。
すげー!そんなに簡単に釣れるもの??
以外にいるのか?
毛針の竿をピュイと入れると、おっ!食いつきそうー。口をパクっとさせてる岩魚が見える。するとすぐにすっごくちっちゃな岩魚が釣れた・・・。
これは釣れるぞ〜っと期待大!
ウキウキしていたけど、上流に進むほど、あまり岩魚の気配を感じなくなる。
そのうち集中力も切れ始め、、、
結局師匠は7匹キャッチ&リリース、私は一匹も釣れずじまい。。。
あー今夜の晩飯がない〜!
私の晩飯釣ってください〜!とお願いする。
すると、師匠すぐにまた2匹くらい釣り上げた…
流石だ。
焼きやすいように、ちっこい方の一匹を夕飯用にして、リリース。
今日の晩飯ができた。
最終バスで下界に帰る師匠を見送る。
私は悔しいいので、師匠からお借りしたテンカラで再度川へ釣りに…
夕方はいっぱい釣れるらしいぞ!
気合を入れ直し釣りに来たはいいが、、サンダルで来たので、足が寒い…
それになんだか水の量増えてる?増水しないよね。。。と泳げないので心配。日も暮れてきた。
偏光グラスをかけてじーっくり見てるんだけど、毛針が見えない・・・?
毛針が浮かないよー油つけてないから?
やっぱ腕が悪いかな…
そしてザブンッ!
サンダル滑って、腰まで水につかり…さむい
もう帰ろうかな。。
テント場の近くの川で、石に座ってしばらく振りの練習。
もっと、修行しないと。
ちょうどよさげな枝を探す。
岩魚に刺してバーナーで焼く。
塩もないけど、岩魚うまい!!!
ゴチソウサマ!
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2日目、北岳へ〜
3時起床。
星がヤバイ!
降ってくる降ってくる!
感動〜やっぱり山はいい!
たまに下界の嫌なこと思い出す…
でも星綺麗!
山に囲まれた星空は、星の池のよう。
ずっと見てると、星空の世界が本物の世界のような気がしてくる。
いつあっちの世界に帰れるのかな。
なんて考えたりして、、キリがない。
星空を見ながら歩こう!と出発の準備をする。
本当は、まだ足がダメだから、北岳登山なんては考えてなくて、軽く甲斐駒の方を歩こうと思ってたんだけど、
北沢峠へはバスが9時にしかなく遅い…
昨日テント場でお会いした「広島産静岡在住」というおばさんが、「この歳だけど、空身ならね」と北岳ピストンするという。
なるほどーいけるかな?大樺沢からいくとのことで、真似して私もそのルートを目指す。
大樺沢は一番短時間でのルートなんだよね。
それに北岳ならもう登山口なので、時間決めてゆっくり歩こうと考えたのだ。
ヘッデンで歩き出す。遠くに鹿の声が聞こえる。暗くてたまに道が不安になるけど、よく踏み固められてるので、迷うことはない。
一体何千人の人によってこの夏登山道は歩かれたんだろう…ってくらい、道が踏み固められてしっかりしてる。
こんなに平らだったっけ?
道が二手に分かれてたりするのも、たくさんいるから、増やしたのかな?
たまに止まって星を見上げる。
あー幸せ。
しばらく誰もいない。この山ブームでしかも北岳で誰もいないなんて、最高だ〜
ひゃっぽーい!
しばらくひとりの山を楽しんでると、どこからか人が湧き出てくる。といっても、おじさん1人、2人、3人、、
花の図鑑を見ながら止まっては観察して、ゆーっくり登ってる。あーいいな、こんな生活。のんびりハイクのおじさんを見てるだけで心和む。
赤紫色の袋みたいな花が気になってたので、おじさんに聞いてみると、「ヤマホタルだよっ」、ってぶっきらぼうに教えてくれた。
すみません、お邪魔しました〜
ヤマホタル!素敵。
足首はテーピングを巻いていたんだけど、ほとんど問題なく快調。るんるん気分で歩く。
でもやっぱり30分経つと、足首は痛くないけど、脚が妙に重い。
3ヶ月半ぶりの山で脚筋なし。
ヒイヒイいいながら、数歩歩いては止まる。肺は大丈夫だけど、脚が重い…。
登山口の看板に、<下りは体力の4割は残しておきましょう>と書いてあったのを思い出す。
うーん、もう8割方使ってるけど…下れるかなぁ。
八本歯のコルまでの丸太の階段は疲れた。同じ脚の動きを繰り返すからかな。でもゴッツゴツの岩場の登りは、アスレチック気分であまり疲れないし楽しい。
八本歯を超えると、素晴らしい景色!
この辺りでは、八本歯から北岳の稜線からの間ノ岳への稜線が一番美しいと思う!
そして、ちょうど一年前に膝の靭帯炎になりなんとか下山した池山吊り尾根を見る。
あー今度は、冬にここを登ってきたい、と吊り尾根を写真におさめる。
なんとか9時には山頂に着けた!9時に着けないなら降りようと思ってたのだ。
山頂からは仙丈や甲斐駒がとても綺麗。360度晴れ渡る。
1年ぶりの夏山!今年最初で最後の夏山かな?
下界のすべてを忘れて、あーーーきもちいいーー!!
ミルクティを沸かしてドーナツ食べてまったり。
急いで降りようと思ってたけど、やーめた。
次のバスにして、肩の小屋から回って降りよう。
肩の小屋までは、ツアーの登山客がたくさんで少し渋滞したけど、肩の小屋を過ぎると、人がまったくいなくなった。
またもや誰もいない!!!この稜線で!
わーい!!
しばらく小太郎尾根分岐あたりまで、一人の稜線を駆けて楽しむ。
お花が綺麗。花の写真を撮りまくる。
写真ばっかり取って次のバスにも間に合わなくなると、急いで二股方面へ降りる。
おじさんが座りこんでいる。「もう暑くてバテちゃって・・・」って言ってる。
九州から来たおじさん、単独テントで、奈良田まで縦走するらしい。
確かに、、、暑すぎる。気温を見ると28度。北岳山頂でも20度だった。
以前北の笠ヶ岳で、あまりの暑さに水が足りなくなって、ラズベリー食べながら、水分補給して
アセロラの救世主に助けてもらったのを思いだした・・・。
水があるか聞くと、まだ1Lはあるようだけど、山頂まではまだ数時間あるので、水を500mlほど渡した。
がんばってくださーいと後にした。
するとまた、今度はもっと高齢の70歳半ばくらいの空身のおじさんが座り込んでいる。「もう暑くてバテてて。。。」と言っている。
また!!?「大丈夫ですか?」と聞くと、「まだ下にもバテているのがいるから。」と言う。
まじで!みんなバテてるの!
水を持っているか聞くと、「まだ半分ある。この辺で半分くらいでしょ。」という。
半分???もしや!と思って見ると、500のペットボトルの半分じゃないか。
ひょえー。中身はもう200か300mlくらいしか入っていない。本人は「大丈夫、大丈夫」と言っている。大丈夫なわけない。。。樹林帯が稜線でさらに暑くなって小屋までは3時間はかかりそう。
さっき水をあげてしまったので、もうほとんどない。もうひとりのばてた人が登ってきた。聞くと、水は持っていると言って「一緒に抜きつ抜かれついく」
というので、心配だけど、渋々見送る。
やっぱり心配なので、自分の水500を残して、プラティパスに残っていた水200mlを絞り出して、遠慮するおじさんのポカリのペットボトルに入れると、
「じゃあ」と喜んで、ゴクゴク飲んだ。やっぱ水分我慢してたんだ・・・
心配だけど、水もないのでどうしようもなく見送る。
歩きながら、ファーストエイドでしきりにやった致死性の熱中症を思いだし、止めればよかったのか考える。。
しばらくいくと、4人の中年の登山者が登ってきた。彼らもこの暑さでバテ気味。さっきの単独のおじさんのことが心配だと伝えると、「水ならたくさんあるから!」
とお姉さんが言ってくれて、ほっと一安心。
さらに下ると、今度は、若いカップルの彼女が機嫌悪そうにフラフラになって歩いている。私が登りのときにすれ違ったカップルだ。
なんかもう、おせっかいおばさんみたいになって、「ストック使いますか?」とか聞いてみる。「はい、どうも」なんて人がいるわけなく、フラフラなので強制的に渡せばよかった。
また下ると、顔から汗がしたたり顔を真っ赤にして登っている単独女子がいる。みんな水をいっぱい持って行ってよ〜と思い、声をかけてみる。
なんだか、片言なので、中国か韓国の人かと思い、身振り手振りで英語で話してみる。すると「日本人です」とのこと。。。
おいおい、、、口回ってないよ〜!!!なんか頭朦朧としている感じ。大丈夫かな?
肩の小屋まで行くというので、暑くてバテないように、まだ沢があるので、水を多めに汲んだりして持っていったほうがいいと伝えた。
以前の笠ヶ岳の口渇以来、夏のアルプスの暑さがトラウマで、絶対暑いと思っていつもより多めに水を持っていたので正解!水不足の方に少しでも渡せてよかった〜
途中の沢で水浴びをして気持ちよかった!
下山時に、左足首をかばったからか、今度は左膝が痛い。
でもリハビリしながら治すのが一番よさそう!
今回は、まさかの9時間も歩いてしまったけど。。
それにしても、やっぱり山はほんとに、気持ちがすっきりする。
どんなに忙しくても山にはいこうと思う。
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広河原から下山のバスで変なおっちゃんがいた。
バスに乗り込み、ザックを荷物台にのせようとすると、「乗せてあげますよ」といって乗せてくれた。親切な人だと思ったら、「荷物代100円」と手のひらを出してきた。
なかなか冗談好きなおっちゃんだな〜と思ったら、本気らしく、「じゃ後でいいですから」とか言ってる。
東南アジアにはたくさんいるけど・・・親切と見せかけ金を取る(笑)なんだこのひと。
よく見ると、ザックを持ってるけど格好がゴルフ??広河原で?白い革靴に白い帽子、ピンクのポロシャツ。
ぴーーっとラジオの線を引いて耳に当てて聞いている。
変なおっちゃんだ。
甲府駅に着いたら、領収書がでないことをもめているので、100円取られないうちに帰ってきた。変なおじさんに注意!
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やまほたる
この花かわいい