[ member/スタイル/ギア ]
ソロ縦走4days/テント:エアライズ1
[ time ]
●8/28(木)
夜行バス 新宿〜富山
●8/29(金)
富山〜親不知
0700 親不知駅
0800 栂海新道起点
1030 尻高山
1105 坂田峠
1335 白鳥小屋
1540 菊石山
1600 黄連の水
1745 栂海山荘
●8/30(土)
0600 栂海山荘
0615 犬ヶ岳
0655 北又の水
0730 さわがに山
0850 黒岩山
0945 黒岩平
1220 長栂山1300
1330 吹き上げのコル1410
1440 朝日岳
1535 朝日小屋 幕営
●8/31(日)
0500 朝日小屋
0850 雪倉岳 0915
0940 雪倉避難小屋
1200 白馬岳 1300
1515 清水岳
1650 不帰避難小屋
●9/1(月)
0600 不帰避難小屋
0850 河原の登山口
0910 祖母谷温泉〜まったり1345
〜欅平
〜宇奈月
〜富山
夜は、お祭り「風の盆」
夜行バス 富山〜新宿
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[ info. ]
【白馬岳清水尾根について】
[ 水場 ]
清水尾根にある避難小屋付近では、沢が涸れること無く流れているので水に困らない。避難小屋から下部の登山道を整備している祖母谷温泉小屋の方からの情報。
[ 熊 ]
白馬岳〜雪倉岳の稜線でも熊の糞があったが、清水尾根の登山道はより登山者が少ないため、熊に出くわしやすい。
熊は人の声を恐れるため、2人以上なら話しながら、単独ならラジオや音楽を鳴らしながら、最低限熊鈴はつけていくと良いとのこと。
☆☆熊は人を食べない。人間を恐れているので、熊さんのためにも、熊鈴などで人がいることを知らせることが大切。熊への気遣い!!
[ 道 ]
上部は草刈りをしていないため、薮こぎが必要。薮といっても笹薮などで笹を掻き分けると、しっかりした登山道が足元に見える。
とは言っても、一見すると初心者にはどこが登山道なのかわからず、一歩踏み外すと滑落の危険のある斜面での薮こぎもあるので注意。
慣れている方は軽い薮こぎやルーファイが楽しめるとても歩き甲斐あるルートかな。
尚、草刈りは今年はここ、来年はここ、と毎年行われるわけでない、草刈りは宇奈月町が担当しているとか。
※白馬岳〜祖母谷温泉小屋、唐松岳〜祖母谷温泉小屋に行く場合は、いずれも避難小屋より下部の情報は、祖母谷温泉小屋に伺うと情報が得やすい。
(白馬山荘では、清水尾根には水場が無い(何にも無い道だ)と言われ、頂上小屋では、水は涸れているだろうと言われた。
白馬岳は長野県、清水尾根は富山県が管理しているとのことで、清水尾根についての情報は、白馬山荘では全く得られず、山小屋の機能を果たしていない・・・
これじゃただの観光宿だ。)
【夜行バス】
民間のバス会社が競って色んな設備付きのバスを用意しているけど、今回利用したVIPライナーはかなり良かった。
待合場所(ビップルーム?)は古い雑居ビルの中だが、ドリンク飲み放題でネット使えて携帯充電器も備わっている。バスの席は、4列でもそれぞれカーテンで仕切られるので
プライベート気にせずいられる。椅子がとてもよく合皮で座り心地なかなかで、リクライニング結構倒せて足を伸ばして寝れる。以前利用した他の会社のフード付きのバスより全然良い。
VIPライナー http://vipliner.biz/
【山ごはん】
今回は夏山縦走があまりに久々だったので、何がよかったのかとか結構忘れていて、ナッツとか乾燥トマトとか、冬山みたいな食糧になってしまった。
そして、今回初めて試したのが、ぬれせんべい。グルメな友人が、最近はぬれせんべいを山に持っていっており、
潰れないし割れないから良いということだった。
でもこれ、登り始めの水が足りない間ではかなりつらかった。だってせんべいしょっぱい!しょっぱいから水を欲する、悪循環。。。水があれば、ぬれせんべいは
割れないし醤油餅みたいで、醤油が恋しくなる山では確かに良い。また今度持って行ってみよう。
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突然できた4連休、どこにいこうか考える。
4日なら北鎌に行けるかなと考える。10日で準備できるか考えながら、以前一緒に行こうと話していた友人を誘うが、突然すぎて都合が合わず。
ソロ初では相当研究しないと自信がない・・・。
ソロでいけるとこ。。あまり人がいないとこ。。。
北方稜線の北部、猫俣山より北の辺りに行こうかと考える。そこで剣人の師匠に聞くと、あそこは残雪の頃の方が良いと言われ、確かにそうだと思い今回はやめておく。
じゃあのんびり縦走と温泉にと考え、以前悪天で敗退した栂海新道を歩こうと決める。
そのとき一緒に敗退した友人が、翌年に栂海新道へ行ったのだが、それ以来毎年通うようになりずっと勧められていたのだ。
その友人は私よりバリエーションもやってるし正月の利尻や北鎌へ行っているから色んな景色をみているはずで、さらに一緒に見た感動する風景は似ているので、
きっと素晴らしいところなんだと期待大。
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●8/29(金)1日目
[富山駅〜親不知〜栂海山荘]
朝富山に着くと、晴れている。予報では、最初の2日間は曇りか雨だったので天気の良さにテンションが上がる。
電車で親不知に向かうと、電車から山がとてもきれいに見える。剣方面の山々も神々しく朝日を浴びているのをみて清々しい朝だ。
富山着の夜行バスでは2人のソロの縦走登山男子がいた。山仲間がいるとなぜか同じ場所にいくんじゃないかと考えてしまうことがあるが、
彼らは馬場島にでもいったのだろうか、親不知方面に向かったのは私だけ。
国道沿いを大型トラックにはねられない様に歩く。あとから出会った登山者は、この国道が一番の難関だったと行っていた。
私は毎日チャリ通勤でトラックの脇をギリギリに走ってるのであまり抵抗はないが。。
海抜ゼロから出発したいので、海までちゃんとザックを担ぎ下ろす。
昨晩まで都内にいたのに、これから4日間も山にいれるなんて幸せだ〜。そして久々すぎる数日間の一般道夏山縦走わくわくする。
栂海新道は虫が多いと聞いていたが、気温も高くなかったからか、ヘビ5匹に遭遇した以外、虫に悩まされることは無かった。
ちなみにカブトムシがいて癒された。
水は2.5Lほど汲んで出発したけれど、もっと持ってくればと後悔しながら歩く。
海抜ゼロからの登りだし、天気も晴れてきて暑いので、きっとのどが渇くだろうと推測し、さらに地図の水場の記載では涸れているかもしれないとのことで、
水が足りなくなるのを恐れ、節約しながらちょびちょび飲んでいた。おかげで脱水気味なのか少し朦朧としてバテ気味。
途中で栂海山荘から来たおじさんや九州からという来たおばちゃんツアー団体に出会い聞くと、
水は汲んで飲めることができるとのことだった。これを聞いて安心し、水をガブガブ飲む。おばちゃんにイワシとレモンをもらい、ちょっと元気が出る。
「1人なの?かっこい〜」とおばちゃん、「いつもひとりですよ。。。」いつもの会話。
「いくつなの?」と小さい声で聞いてくる。「30ちょいです」とごまかす・・・。だって、その歳で何やってるの!?と思われてそうで、、
世間の目を気にすると言いづらい年齢になってきたと思う今日この頃。
先に進むと、登山道から少し下がったところで沢が流れている。が、そこがおじさんおばさん達に言われた水場かどうか分からない。
悩んでから、トレースも付いているし、この先万が一水場が無いと困るので、とりあえずここで汲んでおこうと、沢を下りていく。
そこが実は結構足場悪く危うく滑落しそうになる。。
やっぱりここじゃないだろう、、、と思いながらも滑落しないように水を汲む。実はそこからもっと行くと、登山道脇に
コップで飲水できる整備された水場があって、拍子抜け。。。そうだよね、おばちゃんたちが汲めるとこだもんね。。。
水場は水量が豊富で、最初にしていた心配は全く無用だった。
白鳥小屋に着くと、辺りは曇り何も見えない。
小屋は誰もいない。ノートを見ると、大学生が昨日から太平洋目指して40日近く歩くと書いてあった。
白鳥小屋も宿泊に考えていたが、体力も時間もまだ余裕があり、独り小屋もさみしく栂海山荘には誰かいるかもとわずかな期待をして、栂海山荘を目指す。
白鳥小屋から栂海山荘は、しんどかった。ここは登りも下りも同じコースタイム。
坂田峠で会ったおじさんに、この間は「一皮剥ける。」と言われたが、
一皮など一枚も剥けはしないけど、ただただひたすら景色のない樹林帯。なんの変化もない広い尾根歩きで、さらに標高差の大きいアップダウン。
嫌になるほど登っては下りての繰り返し。
歩いていると、ここは奥多摩か???と感じる。。標高が低いからよく見慣れた木々が生い茂って、なんだかつまらない平凡な道で、眠い。。。
山荘はあそこか?まだか?と心は小屋を求めているが、なかなか辿りつかない。最後に足も全身もヘロヘロになったときに、急登の鎖場なんかが出てきたりして、
山荘に到着したころには、心身の疲労が大きくて、しばらくボーっと階段に座り込み休んでいた。
白鳥殻〜栂海山荘の道はもう歩きたくない。
栂海新道は山荘より北側の朝日岳までの黒岩平がとっても良い景色なので、今度来るとしたら朝日岳から入って山荘手前の登山道でエスケープし翡翠の町に下りるのが良いかと思う。
山荘には、平日もあって誰もいないかと思ったら、3人のソロ男子がいた。
1人寝ていたのは、昨夜白鳥小屋に泊まっていた太平洋を目指す大学生だった。40日の山行なので、ザックも重いし、1日1日計画通りに進んでいるようだった。
他の2人に飯作りに混ぜてもらってお喋り。1人は40kg担いで、北穂東稜とか前穂北尾根を登り、日本海へ抜けるという大学生で
目指すは山岳救助か遭対協とか言っていた、がんばれ〜。
もう一人は長野の方で仕事をやめて今フリー、山に行きまくっている??
山荘はとても綺麗だけど、ネズミがいるとの噂で食糧はザックにしまっておく。毛布と布団を借りて就寝。
●8/30(土)2日目
[栂海山荘〜朝日小屋]
朝天気がよくて、朝日岳方面が綺麗に見える。
やった、天気がいい!と思ったが、やっぱりすぐに曇ってきてしまった。
昨日の栂海山荘までの道は、あまりに面白くなくて、もう帰ろうかとか、やっぱり一般道の縦走なんてつまらなくてもうやめればよかった、なーんて考えて歩いていたけれど、
山荘から上部、黒岩平周辺は、友人が言っていたように、とてもとても綺麗な場所だった。
まだ自然が残っている湿原、雲ノ平というより高天原、木道の整備されているところは尾瀬のような、水量豊富な沢の流れる山深い景色は南アルプス南部のような、
とても山深く、とても癒される場所だった。疲れたとき、ゆっくりしたいとき、花の時期にまた来てみたい。
途中の池で狐を発見。本州で狐を見たのは初めて。
朝日小屋のお姉さんに言うと、最近狐が増えていて雷鳥が食べられてしまうので困ると言っていた。エキノコックスの発症はまだ聞かれていないとか。
今日は、雪倉避難小屋までいこうか悩んだが、3日目で下りてしまうより、4日目まで3000m近くにいたほうが気持ち良いかなと思い、
朝日小屋に幕営しようと決める。一旦決めると、もう今日はあんまり歩かなくていいんだと、
かなりののんびりペースで山を楽しみ休憩をしたりお茶をしながら歩く。
朝日小屋では、私を含めテント4張。名古屋大ワンゲル部の人が幕営していて、怪我人がいるらしく熱心に翌日の下山ルートを話し合っていた。
小屋は富山の山岳警備隊らが常駐しているのか、なんか見たことのある顔だと思ったら、後で考えたら昨年のFAで一緒だった富山県警のKさんだったようだ。声を掛けてみればよかった。
小屋では昨日から一緒の太平洋を目指す東大ワンゲルのT君と飯を食う。T君も雪倉避難小屋までいくか迷ったらしいが、ここで終了。
しっかりと細かく計画を立て、両親にもきちんと伝えてきたと、よく計算された計画書を見せてもらった、さすが東大生と感心する。
ようやく天気が良くなる予報だったのに、雨が降り出した。
天気が変わったらしい。
ちなみに今年の夏は天気が良くなかったらしく、登山者が少なかったらしい。そして雪でも降りそうな寒さだったと朝日小屋の人が言っていた。
●8/31(日)3日目
[朝日小屋〜不帰岳避難小屋]
T君に挨拶をして先に出発する。T君は天狗山荘までいく予定とのこと。私は、白馬か可能なら不帰岳避難小屋まで行こうと考える。
途中の雪倉避難小屋がとても綺麗で過ごしやすそうだったので、やっぱり昨日ここまでくれば良かったかな、、と少し後悔する。
そうすれば祖母谷温泉でゆっくり温泉に浸かって一泊することができたし、熊に怯えてひとり避難小屋で過ごさずにすんだかもしれない。
朝日小屋から雪倉岳がとっても長かった。いくら歩いてもなかなかたどり着かず、巨体の雪倉岳をまさか通り過ぎたのかな、、、と思うほどだった。
白馬岳に近づくにつれ、徐々に天気が悪化し、雨風が強くなり弱気になっていると、中高年夫妻が頑張って歩いている。それを見て、気合を入れ直す。
歩いている人は、みんな蓮華温泉からのピストンの登山者らしく、空身で悪天の中歩いていた。よく考えるとすごいことだ。。。
白馬山頂は真っ白で何も見えず、寒いので素通り。
白馬山荘に着いて、清水尾根についての情報を聞くが、(どこそれ?)みたいな顔をしているピアスと黒ぶち眼鏡のおしゃれ女子がおばちゃんスタッフに聞くと、
「あんなとこ何もないよ、水場なんかないよ」と言う。(あんなとこ行くの?)って雰囲気で怪訝な顔で応えられたので、こりゃだめだと思い、
すぐさまそこを後にして頂上小屋へ向かう。
頂上小屋の若い受付の兄さんに聞くと分からず、奥にいたおじさんを呼んできてくれた。
今年は草刈りしてないことと熊鈴を持っていくこと、水場は涸れていることを言われる。
とにかく水場が無いのは困るので、翌日の行動分を入れて3.5Lもっていざ出発。
清水尾根は誰もいなくて、とても綺麗で、最高!!
そして天気も回復!
清水平あたりは、五色ヶ原のような雰囲気で、花畑がとっても綺麗だった。満開の時期にまた是非来てみたい!
清水尾根は、とても長い距離なのに有人小屋は無い。その分登山者があまり入っていない。眺めはとても良く、変化のある登山道が続き、栂海新道より好きになった。
最高〜!と思って歩いていたが、そのうちクマの糞に何度も出くわし怯えながら下山することになった。
熊の糞に出くわす度に、枝でツンツンといじってみて、あーこれは午前中かな、これはだいぶ時間経ってるな、とどのくらい近くに熊がいるかを考えながら、
ときに糞に怯えすぎて腰をぬかしてコケたりして・・・逃げるように小走りする。鈴がないので、独り言を言いながら、歌を歌いながら、笛を吹きながら歩いた。
歩きながらひたすら熊のことを考える。
熊にやられて怪我をするというニュースが多い。だけど、それは熊にとっては自分や子どもを守るため。怖い人間になんかされるかも、怖いよ〜キャーって、
あっちいけ〜!!って取る熊さんの行動が、人間にとってはあまりも大きな力のために我々は大怪我をしてしまう。。。
熊だって怖いんだ。だから熊さんのためにも、人間がここにいるよ〜と教えてあげることがとっても大切。
祖母谷温泉小屋のおかあさん曰く、クマは昔からたくさんいる。でも音を鳴らせば、人に近づくことはないと。
昔からお互い距離を取りながら生きてきたんだ。
だから音を鳴らすことが、クマと自分のための良い関係を保つ、ひとつの掟のようなものなのかなと思う。
だから1人のときはラジオか音楽プレーヤーを持っていかなきゃね。
道は、藪こぎが多い、時には背丈以上もある。でも地面のトレースははっきりしている。
今日誰かが歩いたような足跡があった。熊が怖いから、先行がいるなら一緒に歩きたいと思い、追うように急いで歩く。
疲れても怖いので休まず、早く安心したいために先を急ぎ小屋を目指す。避難小屋まで行けば、会えるだろうと。
ようやく避難小屋が見えて安心するものの、人の気配がない。。。
まさか誰も居ないなんてこと・・・???
誰かいますよーに!!
と願って重い扉を開けると、殺風景な避難小屋は静まり返っていて、誰もいるはずがない。
まさかの!!
しかも、この小屋!!!
期待が外れまた不安と恐怖が少しやってきて、一瞬下まで下山しようか考えるが、心を落ち着かせる。
小屋は、昔ながらの小屋。壁には古い真冬用コートやゴーグルなどが壁にぶら下がっていたり、大きな鍋ややかんがあるが、布団などは無い。
熊対策だろうか、入口の重い扉は2重になっていて、
窓は高めに作られている。
人の温もりを少しでも感じたいと思い、小屋に置いてあるノートを広げてみる。1週間前に北大の学生が泊まって、その前には単独男性が泊まった様子だった。
そしてそれぞれ書いていることは、『とても過ごしやすい、とても良い小屋でした』という内容だった。
え!ここが??と思うが、おかげで少し安心できた。(過ごしやすい場所なんだ!よかったよかった、、、)
と幽霊が出そうと思っていた自分を慰める。
水場は小屋のすぐ下にある様子だったが、独りでは熊が怖くて、とてもじゃないが必要以上に外に出たくない。外に出るのはトイレのみ。素早く用を済ませるくらい。
独り避難小屋で夜を迎える。寝袋に入り、小説を広げる。たどり着くのは黒部だからね。中途半端にしていた「黒部の太陽」を最後まで読み終えてから就寝。
一見、虫がいっぱいいそうに見える小屋だが、そんなものは全くいない様子で、本当にとても過ごしやすい良い小屋だった!また是非お世話になりたい。
●9/1(月)4日目
[不帰岳避難小屋〜祖母谷温泉〜富山]
またもや熊に怯えながら下山を開始する。
熊の糞がなく安心してると、とーっても美味しそうな蜜がたっぶり付いた木が生えていて、またもや腰を抜かしそうになる。熊の好物がここに・・・!
ブルーベリーやラズベリーが実っているが、すべて熊さんのために、、、だからお願い出てこないで〜!と願いながら、、熊さんの食糧と思うものは採らずに先を急ぐ。歌を歌い、笛を吹き下山。
ようやく河原に着き少し安心。そして祖母谷温泉に到着して安堵。
とりあえず、仲間に下山報告。なんだか北アルプスは天気が悪い予報に変わっていたらしく、友人たちが心配してくれていたようだった。
でも実際天気が悪かったのは白馬山頂だけだった。
天気予報はまったく当てにならないから、現地に行き、自分で空を見て、雲の流れを見て、天候を考えるのが一番正確だね。
そのためにももうちょっと天気を勉強しないと。。。
温泉一番乗り。
昼過ぎまでゆっくり温泉で過ごす。平日昼飯はやってない様子だったけど、他にお客がいなかったこともあるのか、
おじさんが特別に美味しい具沢山のあったかい蕎麦を作ってくれた。
美味しい!と絶賛すると、「愛情がたっぷりだからね」とのことだった。さすが名物おじさん。奥さんもとっても頼もしい人で色々登山道のことやら教えてくれた。
温泉には中高年夫婦でいらっしゃる方がたくさんいた。神戸から旦那と来たと言う奥様と温泉でお喋り。
アクティブでキャリアウーマンぽいカッコいい女性の山下さん、私と同い年の娘がいると言っていた。
温泉でのんびりできたので、そろそろ欅平に向かうかと温泉を出発し歩き始める。
そこでまた違うご夫婦と出会い、一緒に欅平まで歩く。このご夫婦は山屋の雰囲気が漂っており、
聞いてみると、夫婦で100名山を達成されて、本も出版したとのこと。
今日は登山ではなく富山八尾の有名な盆踊りをみに来たのだという。
この祭りは9月の頭にだけ行うようで、音楽がとても素晴らしいから是非行ってみると良いとお勧めされる。なにしろ全国から観光バスが来る有名なお祭りらしい。
祭り好きだけど、そんなお祭りがあるとは!!
このご夫婦は前田さんと言い、同じ新潟出身だった。富山まで一緒に帰り、色々とお世話になりお別れする。
そして富山から電車に乗り、八尾駅で下車。盆踊りは町の広範囲で行われ、踊りや唄、音楽を披露し合う、とても趣きあるお祭りだった。
日本海から念願の栂海新道、3000m級の稜線を越えて、熊への恐怖、独り避難小屋泊、素晴らしい清水尾根、秘湯へ下り、トロッコ、お祭り、素敵な出会いがあり、お腹一杯の山旅だった。
やっぱり山は人生だな〜。
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●越中八尾 おわら風の盆
http://www.yatsuo.net/kazenobon/
夜は、お祭り。「風の盆」へ
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