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2014年10月18-19日 魚野川水系 米子沢〜巻機山

[ member/スタイル/ギア ]

S口、Ik、メロ/
30ロープ(結構大滝が多くロープを使い3人なので、50mの方がよかった。)、テント2-3人用1張、宿泊セット

[ time ]

・10/18
1200 駐車場の手前の沢に入渓
沢間違いだったようで、藪こぎ、右岸にあがり、再度入渓
1600 1250m地点にて幕営

・10/19
0600 出発
0755〜0920 途中高巻きしすぎて、懸垂で沢に下りる。100mの距離を1h半かける。
1145 遡行終了〜着替え
1220 避難小屋
1245 山頂
1300 避難小屋
1540? 下山

[ info. ]

・沢の本120に載っている入渓点は、桜坂駐車場からのアクセスを記載している。桜坂駐車場は奥にある駐車場。手前の駐車場と勘違いし、アクセス通りにその駐車場から少し戻った橋がかかる沢を遡行し始める。 違う沢に入ってしまった。たぶん、間違えた人は多いと思われ、堰堤を越えるトレースが左右にあった。堰堤右岸から巻き藪こぎ、林道に出て進むと、左に「巻機山、米子沢」の巻機山救助隊が作成した看板あり。 右岸に来てよかった。左岸を巻いていたら、米子じゃない違う沢を遡行し続けていた。

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沢全くの初心者を連れて行くということで、初心者でも行きやすいといわれる、ずっと行きたかった米子沢にいくことに。 週末は天気がよさそう!そして何よりも、紅葉が最高でしょ!

朝6時に新宿出発。紅葉の渋滞を懸念していたが、それほどでもない。ところが、ドライバーIkのお喋りが高じて、あれれと魚野川を越えて小千谷まで、長岡まで行くところだった。。。 Ik氏とはいつもこんな感じなので想定内のこと。

沢初めてのS君、山の経験も長くはない。真っ白な帽子をかぶり、今どきの綺麗系男子。
いくつかある駐車場の位置を確認しないまま入渓し、誤った沢へ。そのため、右岸にあがろうと、いきなり酷い藪こぎになる。S君必死。
最初からこんな状態では、S王子を不安にさせてしまうと思い、「沢はこんなもんだから。だから楽しい」などとIk氏もごまかす。S君は、意外に楽しんでいる様子で、 ほっぺに傷が出来ているのも知らずに、なんだか楽しいようで・・・笑顔が素敵。

たぶん沢間違えをする人がいるのだろう。米子沢への入り口がここだと看板が立っている。遭難救助隊が作った看板がいくつもある。初心者の入渓が多く、 事故が多いことを実感する。

実際、行ってみて、ここは初心者同士では結構難しい。
グレード3で初級とのことだったので、ソロで入ろうと思っていたけれど、ソロで行かなくて良かったとちょっと思った。 ロープがあったら良さそうな、きわどい場所、高度感のある場所が一箇所だけでなく、いくつか現れる。それにナメが結構ヌメっていて滑りやすい。

私は今期13回目の沢なので、だいぶ沢歩きに慣れて滑ることはなかったけれど、一応経験あるIk氏もS君もナメで滑ってしまっていた。
S君は大ナメで滑り落ちて下まで行ってしまうかとハラハラする場面もあった。落ちてもここで止まるだろうと考えていた場所で、本当に滑ってしまい 止まってくれて安心したけど10mは滑り落ちて焦った。大ナメは注意していけば滑らないだろうけれど、ちょっとでも不注意さがあると、滑ってどこまでもいってしまうだろう。

このときも、Ik氏が上部で滑ったのをS君が目撃して、「あっ」と気が散った瞬間に、S君も滑ってしまったらしい。

Ik氏はアクアテルス、私はフェルトだったけど、どっちが良かったんだろう。フェルトでも気をつければ十分いけると思った。

S君の予定、土曜朝発・日曜15時東京に合わせ、今回は日帰り沢を2日でと予定し、途中沢泊にしたため、時間をみて幕営地によい場所を探しながら遡行。

沢はゴルジュ多く、鉄砲水が来ても斜面を駆け上がって逃げられる、テントを張れる場所は1か所のみ。
その1250mの場所へ戻り幕営。左岸上部にロープを垂らし、夜間はヘッドライトを首に下げて、万が一の場合逃げられるようにした。
でも天気は快晴で、100%雨が降らないと確信できるような空だったので出来たこと。

夜空には天の川。焚き火の炎すら明るくまぶしい。
学生時代に天文部だったらしいS君は、最高に良い顔をして星を見て感動して、一眼レフを持ってこなかったことを後悔している。
泊まり道具を持って、廃れたフリクションの全く効かないIkから借りたフェルト靴で、よく来ていると感心、 疲労で寝むそうだけれど、楽しそう。

夜は10時頃まで酒と焚き火。

翌朝4時半起き、6時出発。12時には下山の予定だったのだけど。。。

ゴルジュ最後の滝のきわどい左壁をロープ使用で突破後、トレース2か所ある部分から沢沿いでなく、上部の高巻きに行ったのが失敗。

沢は直登よりも高巻きが悪い!
そう思いながらも、初心者いるしな、、、ロープ無しで沢沿いをいくのもな、、、と思い、今回リーダーのIk氏も高巻こうということでそちらを行く。 ロープを出して、安全にゆっくり沢沿いを行けばよかったと途中から後悔。

何百メートル高巻いただろう。途中からはトレースはあちらこちらにあるものの、藪が険しくなかなか進まない。一体どこまでいけば。。。
途中諦め、沢に下りることにした。懸垂2回で沢に下り立つ。あーよかった、と一安心。
予想していなかったひどい藪こぎになってしまったが、入渓点での藪こぎがS君にとっては、この練習となったようで、抵抗なく藪こぎが出来たとのことだった・・・。

高巻きから懸垂下降して沢に下り、良く見ると、遠くに高巻き始めた場所が見えて唖然とする。沢沿いを来ていたら、30分もかからなかっただろうに。 そして、後続パーティが、どちらを遡行しようか迷っている様子で、結局高巻きに入ったのが見えた。 あらら。。。

知っているパーティは、高巻きせずに、沢沿いを難なく遡行して来ていた。

おかげで、S君の予定15時東京には全く間に合いそうにない。 巻機山の山頂にはいかずに、下りようと提案する。しかし、S君は、酷い藪こぎ、ルーファイミス、懸垂、滑落、そして顔に擦り傷を負いながらも、 「頂上に行きたい」と言う。

なぜなら、S君、100名山をカウントしているんだと。そしてそれ以上に山に魅せられている様子。
もしやと思いS君に尋ねる。15時の予定は仕事ではなく女か!と聞くと図星。じゃいっか・・・、と山頂を目指し遡行する。

大ナメを越えた辺りで、大学山岳部らしきパーティに出会う。慣れた遡行で足並みがそろい早い!
色々喋っていると、「あれ、どこかでお会いしましたよね?真名井沢?」と美しい男性リーダー。

むむむ???そうだ、今年初の沢、真名井沢。そういえば、学生パーティが2パーティ入っていたな〜
聞くと、慶応ワンゲル部だった。

顔を覚えられているとは。。。ぺちゃくちゃ話しかけすぎるのかもしれない。

遡行終了は、いくつか右岸をあがるようなトレースがあるが、避難小屋へすぐに抜けられる分かりやすいトレースがある。避難小屋の水場となっているため、 多くのハイカーが水場を求めて、沢に下りてきていた。

避難小屋から山頂へ。紅葉の景色はとても美しかった。谷川連峰に続く尾根はいつか歩いてみたい。 稜線をトレラン、風もちょうどよく吹いて気持ちいい。

避難小屋に戻ると、見たことのある顔が。
あれれ???確か先月の釜ノ沢で一緒にソロ同士2人で焚き火をした。。。「Tさん、、、?ですよね?」
声を掛けると驚いている。Tさんはあの後、恋ノ股沢などへ出かけたとのことだった。
またお会いしましょう〜とこれから山頂へ行かれるTさんを見送る。

今年ソロで行った沢で出会った方々に再会して、驚きだった。沢の世界は山より狭いのかな。

下山でも、紅葉の景色を満喫。最高の沢・最高の山行だった。
またこの時期に来てみたいと思う。

下山後に着いたのは、自分たちが駐車したはずの桜坂駐車場とは違う、本物の桜坂駐車場。
なるほど。これで最初の入渓点を間違えた理由がわかった。それでも山を読み、自然と対話すれば、遭難することはない。

下山後、S君の真っ白なハットは茶色くなっていたが、「生きてるって心地がした。楽しかった。」と目がキラキラして、たくましい王子様になっていた。
やっぱり山は人が生きる場所なんだと思う。また来よう。ありがとう。


上部の大ナメ









右壁から巻き道があるが、ハーケンがあるため、直登してみると、ガバなくかなり悪い。上部に支点が取れず、ビレーしてもらっても悪い。Ikトップ







17m滝の上に右岸から滝が流入している場所







幕営地点付近

夕焼けがきれいだった

イカの姿焼が酒にあって美味い





ここから右岸を行ったが、左岸だったのだろうかわからない。

左壁を行くが怖い。10m切れ落ち。

上の写真を越えたところ。沢沿いに行かずに右上のトレースから高巻きに入り難儀する

上の写真を越えるところ。



ニセ巻機山の位置、標高を確認しながら遡行





遡行終了

そのもの青き衣をまといて金色の野に降り立つべし

立派な避難小屋。前日は団体様30人が占領していたとか。

巻機山山頂

巻機山本当の山頂。避難小屋経由で登山者を誘導するためか、こちらには標識はない。

稜線より。

釜の沢で一緒に焚き火をしたTさんと再開

イメージはシルクロード

キラキラ輝くのはイワカガミか。緑が美しかった

来年はこちらの沢にいこう

左に見えるラインが米子沢

疲れて昼寝。星空と同じくらい気持ちいい秋空。
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