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2015年2月7-8日 / 八ヶ岳 南沢小滝、赤岳主稜

[ member ]

It、めろ

[ ギア ]

ダブルアックス(クオーク2本、主稜で1本のみ)、ダブル60m2本、ストック1、冬シュラフ+カバー

[ time ]

2/7 朝発
南沢小滝でトップロープで練習
2/8
7時半? 行者小屋
1015 赤岳主稜取りつき
1430 赤岳頂上小屋
1455 赤岳山頂
1335 お地蔵様〜地蔵尾根
1635 行者小屋〜テント撤収
1810 行者小屋
2000 美濃戸

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[ 降雪時の一般ルートについて ]

●地蔵尾根下降は主稜より悪かった。岩稜はルートがわかりやすいが、雪稜はラッセルとなり降雪によりトレースはもちろん、階段や手すり鎖などすべて 埋もれ、標識もない広い尾根。一般登山道はバリエーションになり、好天の登山者多い一般道とは全く訳が違った。
●地図読みができなければ下山が難しい。いくつかの支尾根があり、太くなだらかな尾根が正しいとは限らない。地図読み必須。
●地蔵尾根にて傾斜の強いトラバースややせ尾根があり、さらに雪質はパウダーで安定しない。ラッセルしながらの確実なピッケル技術や足さばきなどが出来ないと滑落の危険があるし、 自信をもって歩ける程じゃないと参ってしまい、タイムオーバーとなりそう。やっぱり雪山はクライミング技術より、雪を読んで大雪のラッセルだろうがキノコ雪だろうが どんな雪でも乗り越えられる技術が必要だと思った。
●フィックスロープが埋まることなく辿れる箇所があり助かった。ロープがなければ滑落の危険があり、ロープ確保していく必要があった。またフィックスロープが見えたおかげで 方角もわかりやすかった。もし雪で埋もれていたら、下山にもう少し時間がかかったかもしれない。
●行者から美濃戸も降雪があると、吹きだまりなどトレースが消えている部分があり、方角を見失う可能性もあるため、たかがアプローチと思わないほうがいいと思った。

[ 課題 ]

●ロープは長く細いのは絡むのが当たり前。絡まないように丁寧に扱うべし。
●筋トレ
●アイス21C登りを身につける

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赤岳ショルダー右ルートを計画。
結構難しそう…だけど、相方がリードしてくれるそうなので、がんばれば行けるかな。

初日は、アイス練習。
南沢小滝は、2度目。土曜日だっていうのに、誰もいなくて貸切。

久々の垂直アイスで登れない。 一本目すごく疲れる。 あれーーー!登れん! パンプしながら、登る

なんか変だ。

垂直より若干かぶってる気がする。 両足で立って登ることができず、振った腕を伸ばして正体で脚を同じ高さに蹴り、ぶら下がることでなんとかバランスがとれる。

身体がまだ覚えてない。 垂壁はやっぱり違う、、 垂壁アイスをもっと自分のものにしなければ!

氷が固すぎて、力がなさすぎて、5回くらいでようやく刺さる。 アイゼンも固くて爪が刺さらない。やはりアイス用アイゼンが必要と感じる。
3回ほど練習して、あとはイメージトレーニング。

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それにしてもとても良い最高の天気だった。

それに比べ明日の予報は最悪。
またもや風速29mとか。今度は1日中吹く様子。だけど、天気は曇り。雪じゃなければいけるだろう。


夜は予想外に星空。
朝方は強風が吹いてきた。

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[赤岳主稜]

朝、雪が吹いている。

とりあえず、ショルダーは中止。そして文三郎尾根を辿る。

文三郎を登りながら考える。どうしようか、またアイスでもやるか?でも丸1日アイスってのもせっかく八ヶ岳に来たのだし。 強風の稜線歩きでもするか。それとも阿弥陀北稜なら途中からでも引き返してこれるかな?

とりあえず赤岳山頂を目指すか、、、と強風のなか歩いていると、主稜にとりついている3人パーティがいて気になる。

お互い何回か行ったこともあったためか、行く??ということになり、取りつく。

ちょっと取りつき遅めだが、14時くらいに抜けれれば良いでしょうと言って、1P目で準備。ロープ2本が絡みなかなかほどけない。40分はロスしただろうか。このあとも、新品ロープに1時間は 時間を取られただろうか。。。前回の主稜のときも実は同じ過ちをして時間をロスしていた、、、

そんなことで時間を食っていると、後続がやってきた。2人の若者、ひとり初心者らしく怒られている。このまた後にももう1パーティが来ていたと相方は言う。遅出の方が風が弱まっていたのかもしれない。

こんな遅くに取りつくもんだなぁ。。。など考えながら出発。

実はあんまり体調良くなく、腹の調子が悪い。岩の神様が数十年ぶりに舞い降りたIt氏は岩を見る目が輝いている。もちろんリードお願いする。

こんなに難しかったかな??とチョックストーンでかなり苦労する。It氏は左から回り込むように残置スリングをつかんで登る。私は正面から登るが、いやー 足も手もない、、クオーク2本あればよっこいしょと乗りあげられたはずだが、クオーク1本頼りに乗りあげる。クライミングというより、やっぱり全身の馬力かも。

ジムより筋トレすべきだな。チョックストーンが一番難しかった。リード出来るのかな。。

2P目はリード、雪稜はアンザイレンで進むとすぐに先行に追い付く。

核心と思われたところは、前回は切れたトラバースを行き一番怖い場所だったが、今回はトラバースせずに直上するが、結構怖い。ここももちろんリードしてもらう。

常に風雪であり、腹状態もよくなかったため、初めて早く帰りたいな〜と思いながら登っていた。風雪はやはり体力の消耗が大きい。 しかもコンタクトが凍りそうになったのだろうか、浮き初めて外れそうになった。こんなのは初めてだった。

昔夏の赤岳頂上直下で強風で友人のコンタクトが飛んでいったのを思い出した。

稜線に着き、風雪の中また絡まったロープを解く。
温かい飲み物は必需品だ。紅茶を飲んでチョコを食べ下山へ。

予定していた文三郎は、傾斜急で降雪で難しいと判断し、地蔵尾根へ向かう。 稜線はトレースはほぼなく膝くらいのラッセル。念のため、ロープを1本つないだままで樹林帯まで。体力は消耗したままでシャリバテで精神的にもちょっとヘロヘロ。

一般道だから大丈夫。と甘くみていたが、主稜よりも下山道が悪かった。さらに風雪で髪がつららとなり素敵なシャンデリアになっていて、眉毛もくっつくので、視界も悪い。

わずかに見えた手擦りを頼りに、地図とコンパスを頼りに、そしてIt氏の勘?を頼りに進む。(勘だけを頼りにするのは危険だけど)

無事に行者に到着した。テントを回収し、飲んで食べて少し元気をつけてから下山。

今回は、警察関係の友人が入っていたから、auの電波も入らないので連絡取れず、心配してなんやかんややってそうで、、、ちと心配。案の定想像したことになっていたのだけど。

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同日に学習院大山岳部の学生が阿弥陀北稜に登ったと思われ下山出来ずにビバークし、そのうち2名は翌日も下山出来ず亡くなられた。

下山時に道に迷ったとのことだった。隣の赤岳で、この日の風は常時吹いていたが15mくらいでそれほど強くなく、 報道ではホワイトアウトだったのでは?とあったが、ホワイトアウトで視界が効かないほどではなかったのではないかと思う。

ただし降雪でトレースはなかった。阿弥陀山頂には標識があるが、風雪で真っ白になり見えなかったかもしれない。 事前の地図読みと地図やコンパスでのルーファイが出来ていれば、道に迷うことはなかったはず。 でも遭難は色んな要因が関係する。弱ったメンバーがいて、数人のメンバーがいて、 もしかしたら単独や2人より大人数の方が判断に迷い遭難しやすいこともあるんじゃないかと思う。

そして結局はやはり弱者が遭難する。自分の身は自分で守れるくらい一人でも歩ける技術をもってから山に入りたいもの。 そうじゃなければ、自分は弱いと自覚して最悪の事態を覚悟して入る必要がある。

雪山はホワイトアウトが楽しいこともある。自分で地図を読み雪を読み歩く。もちろんトレースのないことが雪山の魅力。
地図読みが出来ないなら雪山に入らない方が良い。

同日に警察救助関係の友人が八ヶ岳に入っており、我々が連絡が取れないからと早々に17時半に関係者に連絡を入れ救助に入ろうとしていた。 雪山の悪天=遭難=救助すべし! は少々の悪天を好んで入る雪山を愛する人にとってちょっと迷惑な行動。

山はスポーツじゃないんだから。ピッピーそれはだめ、はいっちゃ駄目、そんなふうに山を管理する対象は、山と真正面から向き合っていない人間を相手にしてほしい。 やまんばは大丈夫でしょう。

それに、山にいくな!な〜んて注意しなくったって、
山がちゃんと教えてくれる。
教えてくれることは厳しいこともあるかもしれないけれど。

やっぱり思う。
山はいつだって誰にだって平等だって。

山の中で、
山から下りて、
今回はどうだったかなって・・・。


今回もまた山が沢山教えてくれた。




南沢小滝 貸切

赤岳ショルダーを確認

行者小屋

白湯豚鍋

文三郎 強風

赤岳山頂

地蔵尾根へ

地蔵尾根

顔がシャンデリア

樹林帯に入り一安心。

新しいプロトレックも盤が凍って時間も見えない。ザックも真っ白

行者からも気が抜けなかった。山荘の明かりが見えてようやく安心。
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