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2016年3月6〜7日 / 北アルプス 常念岳東尾根

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YMZ / 冬山装備一式、ストック1、グリベルエアテク、ワカン、(ロープ30m、ハーネス(未使用))

[ info. ]

・尾根への取りつきは、林道に出てくる作業用の梯子から登ると出やすい。梯子を使わずとも場所を選べばそれ程急傾斜でないので取りつけそうだ。
・尾根に上がると分かりやすい作業道だが、1000M辺りで尾根が広くなると、腰から背丈程の笹藪が一面に広がり方向を見失いやすい。 目印は東尾根を横切る送電線と、尾根が狭くなる辺りに立っている鉄塔。鉄塔を目指しながらコンパスを見て方向を定め、登りはより高い方へ、 下りはより低い方へいくと尾根と尾根が繋がる。登りより下山時の方が分かりにくい。地形図上で尾根と送電線がぶつかる場所が鉄塔の位置だ。 (東尾根のの南側にトラバースする形でピンクテープがあったが、登山用か林業用かは未確認。下山時にピンクルートに導かれたが、ここに繋がっていたのかもしれない。)
・雪が少ないので2日で行けたが、多ければ3日ないと厳しい。もしくは、1日目に石室辺りまで行けるのなら、2日山行が可能かも。

[ time ]

07:00 ほりでーゆ近くの林道入口
07:40 林道脇の梯子から尾根取りつき
16:00 森林限界2100M(幕営)

07:25 2100M
09:35 前常念岳
10:25 常念岳山頂
10:50 前常念岳11:10
12:20 2100Mテント場13:00
17:30 1000M鉄塔
18:10 駐車場

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先月アイスバーンでずっこけて肘を負傷したためクライミング・アイスはお休み中。

雪稜へいくことにして、蓮華岳東尾根も考えたが渡渉があるで今回はやめて、常念岳にいくことにする。

ただ雪が少ないので、藪がどうなっているか心配。この時期の記録を調べると、藪を避けるため下山は南東尾根か一般登山道を下りるパーティも多いようで、ピストンが難しければ下山ルートとして 考慮しておく。

取りついた尾根から、ピンクテープが続いていたので少し拍子抜け。でもこれは、登山者用でなく林業用だったのかも。そういう意味では返って紛らわしいが。

標高1000m辺りのとても広い尾根が笹藪でいっぱいになっている箇所以外は、道迷いするような尾根でない。「鉄塔を目指すとわかりやすい」 との他パーティの記録を思いだし、その通りに鉄塔を目指し、この広い尾根を迷いなく進むことができた。

初日は標高2200M付近まで行かないと、翌日の行程が厳しいと思い、ただただひたすら尾根歩き。わかんで歩くが、雪がくさっておりズボズボ。 樹林帯を登って下ってをひたすら続けるが、歩いても歩いてもなかなか標高を稼げない。標高差1400mか〜。

黙々と歩き、ようやく樹林帯を抜けると、目指していた幕営地付近に到着。2100m付近の尾根にテントを張り、生えているハイマツにテントを括りつける。

夜中は突風が吹き荒れ、テントごと飛ばされてしまうんじゃないかと思うほどだった。 雨もぽつぽつ降り始める。気温が高いので雪にならない。予報でも3000m付近で氷点下にはならないとのことだった。

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2日目

朝には雨が止む予定だったが、雨は降り続く。行程が長いため、早出の予定で朝4時に起床したが、とりあえず腹ごしらえだけして雨が止むまで二度寝をする。

目が覚めると、雨が止んでいる。
止んだ!時計を見ると6時半!早くいこう。12時か遅くても13時にはテント場に戻って下山開始しないと夕暮れまでに林道にたどり着けない。

少し出遅れたので相方は前常念を目指そうと言い、山頂はもう諦めている様子があったが、そうはさせぬと少し急ぐ。 私はここ最近の山行で撤退続きだったのもあり、寝坊の時間切れ敗退は悔しすぎるので、3時間で山頂へ着ければ時間内に戻ってこれると計算し、山頂に行くぞと気合を入れる。

稜線はズボズボだが、標高を上げると徐々にしまってくる。前常念岳付近はロープを出す個所は無いが、気をつけないと滑落してしまうような岩稜帯や雪稜が少しあるので注意する。 そこを抜ければ、頂上直下までなだらかな稜線である。 8合目の分岐辺りが、山頂かと勘違いしていたが、そこからさらに山頂は雲の中にそびえており、偉大な山常念を見せつけられる感じ。なかなか着かせてくれない山頂までの道は思ったより遠かった。

ようやく山頂に到着!やったぞー!
山頂からは、槍や穂高の雄姿が見え隠れしていた。

予定時刻内にテント場に戻る。ここまで登りが7時間だったので、帰りは5時間か。下山目標18時。 下山は余裕かと思ったが、わかんを履いてもグズグズに埋まり苦労する。こんなに山・谷が続いていたのかと思うほど、なかなか標高が下がらない。

唄を歌いながら歩いていると、こんな道通ったかな??というピンクテープいっぱいの整備された道を歩いていることに気づく。先に進めると分岐に出た。東側と西側。西側の道の方が整備されピンクテープが ついていたが、もちろん東側と方向を確かめ道を行く。するとだんだん道が荒れてくる。あ〜作業道だったかな?でも作業道でも方角はあってるし、たどり着ければよいだろう。

安易に思っていたが、笹藪が徐々に生い茂り頭上まで覆われるようになる。尾根上に戻るのは大変な藪こぎになるので、方角だけ確認して藪こぎを続ける。 360度笹藪だが、進む方向に鉄線を発見。もう近い。あの辺は広い尾根なので、藪が少なさそうな場所を選んでいけば、鉄塔近くの適当な場所に出るだろう。

最後は藪がひど過ぎて、、帰れるかなと不安がよぎるが、ちゃんと鉄塔に到着した。

やっぱり藪こぎ楽しい。地図読み楽しい。でも、のこぎりが必要な藪にならなくて良かった。。そして暗くなる前に辿りつけて良かった。。。
鉄塔にて時間は17時半。ここまで出れればあとは大丈夫だろう、残っていた食糧を食べ、湯を飲み身体を温める。

鉄塔辺りの広い尾根はまたもや道を見失いそうだったが、コンパス見ながら、低くなっている方へ進むと、ピンクテープの作業道に出た。

ふ、、助かった。

あとは林道を辿り無事下山。

ほりでーゆに入浴して帰途に着く。
松本は登山口から近くていい、東京にいたら前夜発で交通費もかかるし、時間無し貧乏の山屋は山の近くに住んで正解だ。

帰宅して、いつもの山を見る。松本から見る北アルプス、そこにはどっしり構える常念岳。

常念東尾根、あの長い尾根は二度と登るものかと思ったが、こうして松本から見た時に大きな満足感がある。
前常念近くの常念妨もくっきり見える。あんなとこにいたんだ自分。

登ってよかった。
あの長い長い尾根、常念岳は大きい山だ。立派だな〜

これから毎日常念岳を眺めるのが楽しみだ。


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・ほりでーゆ
http://www.holiday-you.co.jp/
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林道終点から 最初は雪なし

東尾根へよじ登る

広い尾根に向かって藪がひどくなる

目印の1000m付近の鉄塔

あとは尾根を忠実に辿るのみ

ズボズボ落ちながら登ったり下ったり

2100m付近で幕営

翌朝出発

少し急登

雪が多い時は岩稜帯をいくのだろうか

稜線を行く

常念岳山頂

ヤー!

穂高が見える

山頂から下る





前常念の石室 前日に登山者が宿泊した様子だが、中は雪で少し埋もれている

ひたすら長い尾根を下る

道を間違え、藪こぎ中

帰ってきた
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